メラグがオネストを自らの神殿『ニライカナイ』に招待すると、話を続けた。
「…其れで、優介は自分を思い詰めていたのでしょうか」
「幼い頃、両親を失ったマスターは忘れる事が怖かったのです…血の繋がった兄弟や家族など居ませんでした」
「そう…」とメラグは語る。彼女も行方不明の兄ナッシュを探している――其れよりも電脳コードオリュンポスを手に要らなければいけない。電脳世界に災いが起きる前に!

――岩石の宮殿『アルカディア』
ミザエルは『シャドウ』の居る神殿を訪れていた。大精霊王『ドン・サウザンド』は彼等を創造した主だ。しかし、自分には理解出来なかった。
(…とは言え、私もまだまだだな…)
すると耳元が舐められる感触がした――剣を構えると、後ろに現れたのは――。

「よぉ、ミザちゃあん」

闇の精霊王『シャドウ』――こと、ベクターだった。

「お前、オネストにメラグを派遣したんだってぇ?」
「黙れ下郎が…貴様に話しかける資格など無い」
ベクターは史上最強にたちが悪い電脳精霊だった。どんなに言おうとも其のゲスの性格は改心する事は無い。故にしてナッシュが制限能力を与えないのも納得の理由だ――面白ければ其れで良い。卑怯な手段も厭わない。
ミザエルとドルベは彼が嫌いだった。するとベクターは人間体になる。
「ま、精々頑張るんだな…電脳コード探し。俺が探してやろうかぁ?」
ヒャハハハハハハと笑うベクターに、ミザエルは無視をした。無視をした方が無難だ。

――オネストの能力を制限したドルベが危険と言う単純な理由で制限したのではない――何故ならドルベは天使を付き従う。彼がオネストの気持ちが分かるのも無理は無いのだから。

「…成る程」
ミザエルはそう思い、髪を靡かせた。

電脳エリア『アガルタ』エリア道中
「知っているか?ヴァルハラがついに動いたらしいぞ」
「円卓の騎士達が動いたらしいわよ…」
「なにやら電脳コードを求めて動き始めたらしいってさ。ひぇー、怖っ」
「何やらベクター様が良からぬことを企んでいるらしいって事…あの方は恐ろしいわ」
「うぇー…恐ろしいなぁ。またトラブル事でドルベ様が動かなければ良いのですが…」
其の最中、一人の男がフードとマントを被り、アガルタエリアに動いていた。

title:水葬
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