冷酷温度(笑)





暑さにとても弱いランス様。夏場は外の任務にすら行かない。流石冷酷(自称)、俺超冷えてますアピールか。
ランス様の部屋の扉の下の隙間から溢れ出す冷気。これはもうクーラーやそのへんの騒ぎではない。冷蔵庫だ。失礼します、と扉を開ける。鋭い冷気がぶわっと流れた。
部屋の中には机にだれるランス様。死んでないか一瞬心配するが、じっとこちらを見ているので生きているらしい。いっそ凍死してしまえ。

「ランス様、この部屋おかしいですよ」

「どこがおかしいと云うのです」

「気温とか」

ランス様はまるで平気とでも言うようにピッともう一度温度を下げた。ミニスカートの私は冷えて冷えて仕方ない。貴方の辞書にはクールビズの言葉が無いのか。もっと地球に優しくなろうよ。アポロ様もそうだけどロケット団幹部は地球温暖化に貢献し過ぎだろう。毎年風鈴と扇風機だけで過ごすラムダ様を見習え。ただのいじめじゃないか。

「これ先日の任務の書類です。じゃあ寒いんで失礼しましたー」

「待ちなさい」

早く出なければ凍死してしまう、と早足に引き返したはずだが、あと少しで扉というところで捕まってしまった。やめろ、ここで貴方と心中したくない。私はあったかいベッドで死ぬんだい!

「少し、身体が冷えました」

「ああそうですか。クーラー消せば良いと思いますよ」

「ミヤノ、少しの間懐炉になりなさい」

「え、いや、嫌ですよアッー!」

膝に乗せて抱えられて、これじゃ暑いのか寒いのかわかりませんよ。
私の耳が赤いのは寒さのせいですってば。だからランス様、そんなににやにやしないでください。



100726