愛してもっと壊して
「おはよう、グラシディア。よく眠れたか?」
イール兄様のキスで覚醒した。まだ頭は眠っているようだったが、コップで差し出された水が冷たくて、視界ははっきり。兄様は私の髪をすかしながらふんわりと微笑んでいる。とても綺麗な金の髪がさらさらと流れシーツに海を作っている。
「兄様、今日は?」
「休みだ」
十刃でないイール兄様はザエル兄様ほど多忙でないから、よく一日を暇で弄んでいた。それでも稀に与えられる任務は厳しく命懸けのものばかりなので、そのくらいが丁度良いのかもしれない。
今日を兄様と過ごせる事に嬉しくなってへらっと私が笑うと兄様はフレンチキスを仕掛けてきた。
「今日はお前を独り占め出来そうだな」
「んっ…兄様ってば」
兄様の手が私の服の中に潜り込み、器用に下着のホックを外す。端正な顔に悪戯っぽい笑顔を浮かべて兄様が私を組み敷いた。
「あ、イール兄様っ」
「いいか?グラシディア」
赤に近いバイオレッドの瞳に欲情を孕ませながら。
「いいよ」
言うが早いか兄様の手が私の服に手を掛ける。私はされるがままになりながら兄様の髪を指で梳いた。引っ掛かる事は無く、するすると指通りの良い髪。やめろ、と兄様に制されてもしばらく止めなかった。
「知ってるか?髪も性感帯の一つなんだ」
「じゃあ兄様、気持ち良かった?」
「さあな」
私の乳房を揉みしだきながら兄様が苦笑する。
「あっ、ああ…」
すこし大きくなったか?等と言いながら兄様の手つきは激しくなる。巧みに快感を与えながら、私を上手く喘がせる。これはザエル兄様にも言える事だが。カリ、と乳首に歯を立てられ私は大きくのけ反った。
「くぅっ…!」
「もうびしょびしょだ」
私の脚の間に居た兄様の服は太股の部分が濡れて変色していた。勿論その濡らした原因は言うまでもない。私が思わず目を逸らすと兄様に顎を掴まれ、顔を上げさせられてキスをした。
キスをしながら兄様も服を脱ぐ。洗練された逞しい身体が顔を出す。それに見惚れていると今度は私が服を取られた。下着を取る際、私の秘部から透明な糸を引くのを見て兄様が笑う。
「見ろ、こんなになってる」
「これは、兄様が…」
「俺が?」
「ふあ、やあっ」
長い指が触れた途端、藍染さまに良く調教された私の身体から愛液が滴った。滑りの良いそこに兄様の指が入り込む。
「あっ、あ、ンン!」
そんなに入らない、と首を振ってみるものの、慣らすまでもなく広がったそこは兄様の指を三本も受け入れてしまった。
「随分辛そうだな」
「ひ、うっ、イかせて、イかせて兄様…」
「はいはい、俺のお姫様」
「んああ、ふあ、らめぇっ!っく…」
クリトリスを同時に刺激され私は絶頂した。ズル、と大量の愛液に塗れて兄様の指がナカから出ていく。
「グラシディア、いいか?そろそろ俺も…お前の中に入りたい」
耳元で囁かれ、私は兄様の背中に手を回す事でそれに応えた。絶頂の余韻で熱を持つ私の膣口に兄様の先端が当たる。既にお互いが潤っていたせいか、派手に水音を立てて兄様が入って来る。
「んあっ!はっ、ア…おっきい…」
「お前は大きいのが好きだろう」
「うん、うんっ…すき、もっとして…」
ガツガツと貪るように力任せに兄様が腰を打ち付ける。やや強引なそれに、虐げられていると感じ、私の中のマゾヒストのような被虐嗜好が首を擡げた。
「やあぁっ!にぃ、にいさまぁっ!」
「…グラシディアっ」
白熱、体内に流れ出る熱を感じ、こらえきれず私は兄様の白い肩に噛み付いた。
101205