▼かんしょう/干渉/感傷/緩衝/鑑賞/
▼
ひつじ
可愛いままのわたしでいさせて
溺れるくらいの傷がいい
あなたの残り香に縋って生きる
痛みを教えてくれるひと
指のあいだをすり抜けていく存在
鎖骨に積もる愛情
わたしがいちばん美しかったとき
フェイクファーに吐息は埋もれる
優しさは優しさのままとっておきたい
お別れすらも甘美でした
▼ささき
ひとりないて
命の果て
躊躇い悔いて
掌、凍て
罪も煌めいて
▼マナカ
見てくれのみで生きてる
関わって傷つけて
そばに痛い
聞いてもわからないけど触れて見たらきっとわかる
どこにいても誰かが見てる
どこか遠くの隣の人
何処かで見続けた
見るためのケーキ
心を刺してくるな
今日はどこかで死なないで
当事者よりも傷つくあなた
いいんだよって誰も言ってくれない
こんな心はどこにも売れない
そこだけで関わっていたい
寂しさを君で埋めた
怖いけどそれだけ
どっかで聞いた台詞
離れたら君といれない
困難に愛
明るい挨拶、暗いサヨナラ
誰かが願った
▼
ろこ
艶やかな花弁を愛でるの
終わらないエレジー
突き刺さる豪雨は今の心みたいだ
君のいない今世に価値なんてない
永遠に錆びない指輪
▼
伊緒
遠い日の泣き顔
縛られていたぼくら
青き日々の傷跡は一層美しく
あれから流れた年月だけがぼくを包む
あの頃ほど感情が振れないのは、大人になってしまったせいなのだろうか
20170514~