「なまえは今日も可愛いいな!」
「あ゙?」
「でもカッコいいってのもあるぞ!」
「あっそ。」
「そーいえば昨日委員会でバレーをしていてな三之助が顔面でボールをトスしたんだがその後なぜか滝に怒られてしまったんだ、どーしてだと思う?」
「しるか」
にこにこ頬杖を付き私の方を見ながら突然いいだす小平太、それに対して相手を向かず声だけで反応する。ちゃんと相槌してやっただけありがたいと思え。
「なぁーなまえシたくなった」
「…長次醤油取ってくれ」
「……ボソボソ」
「む、何で無視するんだなまえ!昨日の事怒ってるのか?だったら今日は痛くしないからそれならいいだろ!」
「こへうるせー」
「それはいいってこと「何でそうなんだ馬鹿」
そうじゃねーよと言う意味も込めてこれ以上変なことを口走らないよう、すかさずお盆の隅に図々しく乗っている本来は定食のメインであろう唐揚げを小平太の口に押し込んでやる。よし、これで今日の敵は無事に私の口に入る前に抹消することができた。目の前で長次の眉間に皺が増えた気がするがコレは不可抗力だ許せ。まぁそれでもコイツが黙るには数秒しか持たせられないだろうが。
「むぐっ…もきゅ…ごくん。だって私、今なまえを見ててムラッとしたんだ!」
まだ言うか!しかもあの口に押し込んでやった大量の唐揚げを二口で飲み込むとは流石暴君やっぱり胃の方もブラックホールなのか。私なんかあれを全て片付けるのに半刻以上かかるというのに、よし今度からいい具合にコイツの口に押し込んで食べてもらおう。
「なまえーいいだろ私もう限界かもしれない」
「勝手に言ってろ」
「えー、私はなまえがイく所がみた「お願いだから黙ってくんねー?」んむぅーむがむごっ」
あーあー。聞こえねえー。
また変なこと言い出した小平太の口を左手を当てることで塞いでやった、遅いとか言うなこっちだってんな勘違いするなんて一欠片も思ってなかったんだからしょうがない。分かってたらその前にひもやら何やらでその口閉じさせたかったさ。だいたいどうやったらそう言う風にとらえられるんだ。何処がいいもんか。こっちとらお前のせいで朝から腰痛いはダルいはで大変なんだよちくしょーが。朝から変な目で見られんのはごめん被る。
ふうと油断したのがいけなかったのか、いきなりペロリと手のひらに冷たい物が当たり思わず手を引こうとすると、その前にがっしりと小平太に掴まれ逃がさないと言わんばかりの勢いで強く捕まれ思わず眉間にしわが寄る。くそ、馬鹿力すんぎんだよっ。
「こへ、離せ?」
何とか離そうとするがそのまま口の近くに手を持っていかれ、まさかと考える時間もなく小平太は案の定指先を舐めてきた、そのまま伝うように手の甲の方まで舌が上がってきて指と指の間をじゅるりと吸われるように舐められ思わず逆の手で持っていた箸を落としてしまう。
「なっ、てめっ」
「ん?なまえエロい顔してるな」
指舐めただけなのになと笑って言う小平太は今にも襲ってきそうな勢いで、それが昨日の夜と重なり自然と体が跳ねるのが分かった。私はコイツのこう言う表情が苦手だ、普段はそんな顔しないくせにって駄目だ駄目だお前ここ何処だと思ってやがる!そうだ長次、何時もならここまで度が過ぎれば止めに入ってくれる友人に助けを求めようと前の方を見る
いねえええええっ!
え、嘘。
いつの間に食べ終わったのかさっきまで座っていた友人は既にそこにおらず。私大ピンーチ。は?なにそれ。いやいや、ネーヨ。
「こへ、いい加減にしろ怒るぞ。」
「細かいことは気にするな!このままぎゃんっ」
今コイツの顔を見たら押し流されると思い前を向いたまま注意するが相手は全然引く気はないようで、ぐいっとまた手を引かれるかと思いきやバシンと何かを叩く音と犬でも踏んだような声が飛んでくる。
「何をしている小平太ここは食堂だ自重しろ。」
「仙ちゃん」
「仙蔵、」
横を見るときっとそれで叩いたのだろ、丸められた忍たまの友を握り小平太の横に立っている出来ればあまり合いたくない人物がたっていて。いや、このさい永遠のライバルだとか。なんとか関係ない助かったのはかわらないしお前今なら女神に見えるよ!…うぇ。やっぱだめだ想像したら吐き気がしてきやがった。
「ほう。助けてやったのに何だその間抜けな面は。あぁ。すまん、それは元からだったか?」
「別に、助けろと言ったつもりはねぇーが」
「減らず口を」
ニヤリと笑う目の前の人物にやっぱりコイツは気に食わないと思う。そうだそうだ。別にお前なんか来なくてもこの場くらい
「それよりいいのか?お前達ろ組は今日校外実習だろ」
長次は先に行ったが珍しいな三人バラバラと言うのは。そう続けた仙蔵にあ、と冷や汗がでる。そうだ今日は個人のレベルを計るだとかなんとかでその授業が組まれてる日、そして私と小平太はこの実習で賭けをしていた。そりゃもう、この先人生すべての賭と言っても良いほど少なくとも俺には死活問題だ、なんとしてもこの実習はコイツよりいい成績を納めないといけない、まぁ今まで負けたことが無いので大丈夫だと言いたいところだが、今回の事は小平太も本気のようでどんな問題であれ最終的に体力戦に持って行かれるとこっちが不利だこうなれば、
ガタンと我先にと動こうとする私と小平太。
「勝のは私だ。」
「んーやってみないと分からないぞ?」
「ふざけるな。これ以上お前に振り回されてたまるか。私は認めないからな」
「えー絶対今の方がいいと思うけどな私は」
そりゃテメェーの考えだアホ。
私は認めない。認めてなるものか!この先私がずっと下なんて有り得ないっ。そもそも今までだってなんで私がコイツに組みこまれなきゃならないのか疑問でしょうがなかった所だ。私だって立派な日本男児、攻めたいと思ってなにが悪い。
「くだらんな」
「勝手にほざいてろ」
とにかくこの勝負に勝ってこの先コイツを組み敷くのは私の方だ。後ろで呆れる仙蔵に一言暴言を吐いて、だっと一気に走り出し集合場所へと急いだ。
「何でだああああああ!」
帰ってきて一番にそう叫ぶことになると今の私は考えていなかった。
好きなんだオマエのことが!だからいいよな?
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攻めたいのに攻めれない受け主
いやさいしょ攻め主かいてたのにあれ?
唐揚げ食べるのに一時以上かかる主www