「オレなまえの髪が好き」
「そう言うのは、タカだけだ。」
「こんなに綺麗なのにね」
「周りはこの色をよく思わない。」
「ウサギさんみたいで可愛いのにー」



縁側に座りボーと外を見るなまえの髪を解かしながらポツリとはく。小さい頃はよくこうして髪の手入れをさせてもらっていたからその感覚が懐かしくて、何よりまたなまえの髪に触れれるのだと言うことがとても嬉しかった。10年ぶりに触る髪は元から髪質がいいと言うのもあるけれど、オレがさわらなくなっても自分で手入れしていたのか変わらずさらふわな髪をしていてさわり心地がいい。こんなに綺麗だと言うのに見た目に騙される周りの人はホント馬鹿みたい。そう、彼の髪、と言うよりはその色なのだけれどそれを周り人達はよく思わないみたいであの頃は衝突することが多かった。自分も特殊な色をしているけどそれとはまた別の、彼の髪には色がない。太陽に当たるとキラキラと反射して返ってくる色は銀色に輝いて鏡がそのまま光っているのと似ているそんな色をしているのだ。そう言えばなまえのお母さんも特殊な色をしていたっけ。それじゃあこれは遺伝なのかな?


初めてなまえに会ったのは父親の仕事について行った時で、あの時は始めてみる髪の色に驚きを隠せなかった、子供故の好奇心とでもいったらいいのかな?怖いもの知らずなオレはその髪に触れてみたくてしょうがなかったんだ。それから父がそこに仕事に行くときは毎回ついて行ってなまえの髪で遊んだ。少しでも多く髪に触れることは勉強にもなると父も許してくれて彼もされるがまま、その光景を父となまえの母親は微笑ましいと見ていてくれて、そんな日が何回か続いた頃何時もはぼくが話しているのに相づちを打つだけの彼が初めて口にした。


「こわくないのか、」
「ふぇ。どうして?」
「みんな、キモチワルイって言うから」
「こんなにキレイなのに?ぼくはすきだよ!」
「っ、…そ、か」


一瞬固まったような雰囲気がして。その後の声の音程が最初より柔らかくなり肩が少し上がった事から彼が笑ったのだと言うことが分かって表情は隠れてよく見えなかったけどそれが嬉しかった事は覚えている。それから少しずつ会話もするようになって、気付くとオレはなまえの髪だけでなくなまえ自身が好きになっていた。まぁその気持ちに気付いたのはつい最近で、人は本当に大切だと思うのを一度手放してから気付く事が多い。オレもまたその1人だったみたい。まぁオレの場合相手が突然村から消えたんだから不可抗力ではあるけれどね。



「もう離したくないないかな」
「ん?なんか言ったか」
「ううん。なーんでもないよ!」




今日もまたオレは

指先でそっと

あなたの髪をとく



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過去なタカ丸さんと夢主を書きたかった。幼なじみ万歳。俺得。
オレなタカ丸さんいい!
しかし彼は受けぶん










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