「勘ちゃんは名字と付き合ってないんだよな?」


名字が部屋から出て行って数分。
俺は勘ちゃんに聞いてみた。返ってきた返事は、相変わらず詰まらないのかぐたーと床に横になったままだったけど。


「へ。やだなー兵助、俺となまえはそんな関係じゃないって。」
「ふーん」
「何々。兵助さんなまえのこと狙ってるの?」
「いや。それは絶対 な い!」


あってたまるか!と思わず机を叩いてしまう。だって勘ちゃん顔怖い、笑ってるけど、すっごい笑顔だけど。目が笑ってない。


「だよねー。兵助は他に年上で後輩な可愛いお相手がいるもんね」
「な、なんでそこで斉藤が出てくるんだよ」
「誰も斉藤さんだなんて言ってないよ」
「…勘ちゃん」


あははー、兵助図星なんだーと今度は本当に可笑しいと笑ってくる。一本取られたとはこの事だな、なんて三郎がこの場にいたら絶対からかってくるんだろうと片隅で思いながら、自分がからかわれて面白いはずが無い。そもそもこっちは真面目に聞いてるのであって、笑い話に持って行かれては困る。そう思いをこめ再度名前をよぶ。


「ははは。兵助が今更な事聞くからでしょ確かになまえは好きだけど、そいう関係じゃないよー。」
「ホントに?絶対?」
「ほんとーに、今日の兵助なんか変だよ?」
「うん」


変なのは自分でも分かっているつもりだ。
それでも、日常の2人を見ている俺からしてみたら、キスしたり抱き合ったり手を繋いだり。そんな関係を付き合ってないって言うのは可笑しいと思うからだ。多分俺の考えは間違っていない。現に雷蔵は2人が付き合っていると思ってるみたいだし。何よりさっきの俺が名字を好きなんじゃないかと疑うような顔つき、あれは演技じゃなように思えたんだけど。しかし、本人が違うと言うのだからそうなのだろうか?まだ勘ちゃんにしか聞いてないが、そうだ。勘ちゃんが気付いてないだけで名字の方はと言う考えもある、なんだか考えれば考えるほど複雑でごちゃごちゃになってしまいそうだった。



「とりあえず。だ、そうだ。」
「んーサンキューな兵助!悪いな変なこと頼んじまって、」
「いや、はっちゃんの頼みだし」


今までの経由をはっちゃんに伝えにろ組の長屋まできた俺は勘ちゃんは「名字と付き合ってないと言っていた。」とだけ伝えた。気になって仕方なかったのか、それを聞くと気分が晴れたのか少しだけいつもの明るい表情に戻ってきた、よかった。最近のはっちゃんはどこかソワソワしているから。



気になるから聞いてみた




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暫くは兵助さんしてんです








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