『よ、岸谷。まだ起きてたか?』

「あ、門田くん?うん。今日はちょっと夜更かししようと思ってね。どうしたの?」

『いや、お前今日誕生日だろ。だからよ…その、なんだ。おめでとう、って言っておこうかと思ってな』

「……驚いた。門田くん僕の誕生日知ってたの?」

『まぁ、一応。つーか臨也が春休み入る前に騒いでたからな。それで知った』

「なるほどね。それにしても、ありがとう。まさか門田くんから祝われるなんてなぁ。正直ちょっと嬉しいよ、友達みたいで」

『みたい、ってなんか引っ掛かる言い方だな。ま、いいや。プレゼントっつうほどのもんはやれねえけどよ、学校始まったらなんか奢るわ』

「本当?」

『あんま高いもんは無理だけどな』

「僕は臨也とは違うからね。遠慮はするよ。でもそれならそうだなぁ。門田くんの料理が食べたい」

『は?』

「駄目?」

『や、それでいいならいいが、なんだ急に』

「えー?臨也が前にね、門田くんの料理は美味しいんだよー、ってすっごく自慢してきたからさ、いつか臨也の前で食べてやろうと思ってたの思い出して」

『お前がいいなら、そうだな。何か作るよ』

「ありがとー」

『ん、じゃあな。悪かったな。こんな夜中に』

「いやいや別に、むしろありがとう」

『あいよ、じゃおやすみ』

「はーい」



「ん、今度はメール?……静雄だ」

『おめでとう』

「……素っ気ないなあ。あれ、またメール」

『かすかにシンプルすぎるっていわれた

こういうときなんて送ればいいんだ』

「……俺に聞かれてもなあ、またメール」

『寝てたら悪かった

かすかが0時になったら送るのがいいって言ったから頑張って起きてた俺もねむい』

「……何回メール送ってくるのかなあ、またきた」

『だからおやすむ』

「……み、じゃないの?そこは。よっぽど眠いのかなぁ」

『ありがとう(^^)
僕もそろそろ寝るよ

じゃあおやすむw』


「送信、と」



「あれ、また電……臨也か……………………………………………………………もしもし?」

『出るの遅くない?』

「君からだから別にいいかな、と思って」

『泣くよ?』

「君に悲しい、って感情があったとはね。でも泣かれるのはやだなぁ。ごめんね」

『……うん』

「まぁ、そう落ち込まないで。で、なんだい?」

『今日誕生日じゃん』

「うん、そうだね」

『おめでとう』

「ありがとう。……君も律義な奴だよね。毎年電話くれてさ」

『迷惑だった?』

「ううん、全然。迷惑だったらまずありがとうなんて言わないから」

『ならいいけど』

「うん」

『もう寝るの?』

「いや、まだ少し起きてるつもりだったけど」

『そう』

「臨也はもう寝るのかい?」
『早いけどね。今だって布団の中から電話してるし』

「へえ…」

『……来月さ、俺の誕生日の時も新羅、「おめでとう」って言ってね』

「毎年言ってるじゃない」

『今年も忘れないでね』

「今日の君は少し変わってるねえ。忘れないよ、大丈夫」

『……ん、』

「じゃあおやすみ臨也、春休み中に一回は遊ぼうか?門田くんも静雄も誘ってさ」

『わかった、…おやすみ』

「おやすむー」



「うーん僕も寝ようかなぁ。早起きしてセルティにいっぱい構ってもらおうと!」


ぱちぱち


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