じゃのめ
雨の日だというのに、そこには長蛇の列ができていた。
ピンク、藍、黄緑…まだらな色をした身体に透明の鱗が輝く。
やがて、蛇の頭がこちらに向かってぞろぞろと這い出た。鱗の下にちらちら見える人々の面は一様に悦びを顕していた。
蛇の息吹が、身体からもうもうと発する熱気の湯気が、静かに煌々と立ち上がるのを見た。
蛇はほんの少しずつ──だが確実にその長くまだらな身を暗い穴の中にと沈めた。
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