2024/04/24(水) 22:47 #感想文

悩みを抱えた人々が偶然訪れたコミュニティハウスの図書室で本を通じて人生の答えを見つけるお話。…かな。
一章ごとに主人公が変わる一人称視点の物語なんですが、同じ地域の人たちなので各章の人物にちょっとずつ繋がりがあって面白いです。一章のモブが二章の主人公の彼女だったりする。あの時の人…!ってなります。

小町さんのレファレンス力すごい。決め台詞の「何をお探し?(イケボ)」言われてみたい。コミュ症なので普通に探してる本だけ答えそうだけれども。付録欲しい。小町さんのレファレンス受けると選書リストと手作り羊毛フェルトの『付録』が貰えるんですよね。作中に出てくる羊毛フェルトが『お探しものは図書室まで』の表紙になってるのとてもいい。かわいい。
思わず人生相談してしまいそうになるカリスマ性と、選ぶ本や付録の偶然性…。絶対何か見えてる。
仕事中ずっと羊毛フェルトぶすぶすやってるし選書リストと付録渡し終わったら急にスン…ってなって羊毛フェルト再開するところとか、仕草もルーティンのように機械的な感じがしてちょっと人間離れした雰囲気なのがまたいいですね。
しかも見た目もでかくて白い。作中ではベイマックスとかマシュマロマンとか言われてましたけど個人的には『銭天堂』の女将?をイメージしました。お団子に簪刺してるし。銭天堂読んだことないので表紙のイメージしかないのですが。それかマツコみたいな感じなのか?

主人公はみんな仕事関係の悩みを抱えているのですが、これ…刺さるものがありますね…。私も仕事やってらんねぇ〜と常日頃思っているタイプなので(笑) 特に四章は読んでてつらいものがありました…。
二章は会社辞めて自分の店持ちたいけど食って行ける気がしない…って悩む主人公に対して、会社員として働いて安定した給料を貰いつつ休日に自分の店を開くパラレルキャリアってのがあるよ〜って勧める話なんですけど、休みなくなるとか私には無理だな…と思いました。気持ちは分かるけど好きなことを義務にしたくない。好きなことは好きな時にやりたい。体力的にもきつい。そう考えるとパラレルキャリアできる人って真面目でタフネスですね…。すごい。
ちなみに実際パラレルキャリアでお店を出してる人に取材して名前とか店名をちょっと変えて登場させてるらしいです。

図書室の話なので実在する本がたくさん出て来ます。各章主人公の人生に響く一冊があるんですけど装丁の描写や本文の引用が巧みで読みたくなっちゃう。取り急ぎ『ぐりとぐら』と『21エモン』は読みました。ほんとにモンガーかわいい。『ぐりとぐら』は全然覚えてなかったですね…。
そもそも『お探しものは図書室まで』も別の本で紹介されてたの読んで面白そう!と思って読んでみたのでこうして本の連鎖が続いてるの面白いですね。図書館に借りに行ってたまたま目に入った別の本先に借りちゃったりするので読みたい本が増える一方ですが…。
『はだしのゲロブ』というムカデが主人公の絵本が出てくるのですが、面白そう!と思って図書館で蔵書検索したのですが出てこず…。マイナー過ぎて置いてないのかなあとネットで調べてみたらどうやら架空の絵本だそうです。出版社メイプル書房って聞いたことないな…とは思ったけども。そういうのもあるのか…。

架空といえば小町さんが大好きなお菓子で呉宮堂のハニードームというものかあるんですが食べてみたいですね。ハチミツ染みてるソフトクッキーらしいです。おいしそう。ちょっとサクッとした丸ぼうろみたいな感じなのかな。
と書いて気付いたんですがハニーとメイプルってことなのか…。遊び心がすごい。
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