2024/07/31(水) 21:07 #感想文

桐島の5人の同級生たちの話がそれぞれの視点からのオムニバス式になってました。
みんな友達だったりクラスメイトだったり部活同じだったりで繋がりがあるんですが、全部が繋がってるのであいつとこいつが付き合っててこいつとあいつは同じ部活で…ってちょっと相関図すごいことになりそう。

一言で言うとめちゃくちゃ青春でした。進路とか勉強とか恋愛とか友情とか……そういう思春期の悩みや葛藤が絡み合って生々しく書かれてました。
あとめちゃくちゃギャル・ギャル男の世界ですね…。所謂スクールカーストが題材でもある。
余談も余談ですが茶色のロングヘアの詩織って子が出て来てちょっとほくそ笑んだ。性格は全然違うんですけど。クラスメートの小柄なかわいい男の子が気になってるんですよ……。へぇ……。

各章みんなそれぞれ悩みを抱えてるんですが「宮部実果」が群を抜いてかわいそう過ぎた。
「涙がこぼれないように空を見上げると、世界中すべての色を飲み込んでしまったかのような空が、涙をこらえているように見えた。」
これとぼとぼ帰ってる時の実果の地の文(※一人称小説)なんですけどめちゃくちゃ綺麗な文章じゃないですか…!?もはや詩ですよね…。

iPodとかチャットモンチーとか懐かし……ってなりました。これたぶん今の子が読んだら分かんないかもしれないですね。音楽聴くってなったらスマホでサブスクが主流らしいのでそもそも音楽プレイヤー持ち歩いてる子が少なそう。いやレトロブームだし逆にエモいのかもしれない。MD聴こうぜ…。

なお舞台は岐阜ですね。「○○してまった」とか岐阜弁だ…!ってなった。『君の名は。』で学びました(笑) 作者さんも岐阜出身だそうで。
っていうか朝井リョウさんって男性だったんですね。名前でなぜか女性作家だと思ってた。著者プロフィールに「大学ではストリートダンスのサークルに所属している」って書いてあって、これ書いたの大学生の時ってこと!?ってなった。すごいねえ…。小説家とか歌手とか十代で評価されるの珍しくないけど自分が歳を取れば取るほど改めてすごいねえ…ってなる。それこそ昔の漫画家とかみんな中高生でデビューでしたもんね……。
写真見た感じとかストリートダンスとか…イケイケの人だ…。スクールカースト上の方の人だ…ってなった。知らんけど。

これ映画でどう表現したんですかね。
5人の視点で撮り切れる…?っていうのもあるし、それぞれの心情というか他人に隠してるモヤモヤの話なのでそこ小説どおりやろうとしたら心の声だらけになるし。放映当時けっこう評価よかった記憶があるんですけど。借りに行くのもな…。
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