2024/07/13(土) 23:29 #旅行記

三つしかない国宝・曜変天目茶碗の一つを所蔵してる美術館なんですけど、今回それが特別公開されてるので見に行ってきました。曜変天目茶碗現物見てみたかったんですよね…。

エントランスが大きなガラス張りになっててすごいオシャレな美術館でした。だだっ広いエントランスの右側には何の仕切りもなしに段を下げて大きなキッチンが。併設されたカフェなのですが、その開放感にびっくりしました。メニューも焼き団子とお抹茶のセットでめちゃくちゃおいしそうでした。良い匂いがする。

そして正面は真っ白な壁にぴたりと閉まった大きな黒い扉がひとつ。異様な光景でした。拒絶感さえ覚える。
チケット売り場はどこだろう、この扉開けて入るのかな、と思っていたらカフェからすぐさまスタッフさんが駆け寄って来ました。チケット売り場はなく、扉の前でスタッフさんが直に決済するシステムとのこと。珍しい。
完全キャッシュレスを目指しているので現金はやめてほしいらしいです。決済はお腰に付けた機器でピピッとですわ。き、近代的〜。
チケットもパンフレット等も紙類の配布は一切なく、作品の鑑賞はスマホから専用サイトに繋いで解説を見るという…。完全ペーパーレス。紙類好きにはちょっと寂しい。これが未来か…。音声解説無料で付いてるのはすごい。Wi-Fiもあります。
この説明一組一組にしなきゃいけないので手間はかかりそう。海外客も多いのですが英語で対応しててかっこよかったです。

説明が終わったら黒い扉がガーッと開けられる。自動ドアだったんだ…。
入るなりプロジェクションマッピングでコンセプト説明。古文書のように厳かな色合いで雰囲気あるぅ…。
イヤホン持ってたので音声解説聞いてみようかな、と思ったのですが私の端末が悪かったのか全然何も聞こえなくて諦めました。充電もカツカツだったし…。

キャプションがオンライン化してるのはいちいち展示ごとに作る経費削減かなと思ってたのですが、解説パネルもちょっぴりありました。これが分かりやすいし面白い。
専用サイトのキャプションも真面目な作品解説に加えて「学芸員のうらばなし」というおまけコラムがあって、それがなかなかふざけてて面白かったです。洗い肌の焼き物に「クリスピーで食べれそう」とか、茶釜にUFOとか鈴カステラとか好き勝手言ってます。発想も面白いし、学芸員さんのコメントが砕けた感じだとこちらもより気楽に鑑賞できる気がします。
『冊子形香合』という本の形をした陶器があるのですが、描かれてる絵が源氏物語の「朝顔」を連想させるものらしく、学芸員さんが『要するに源氏物語の二次創作グッズです。推しイメージアクセサリーのようなものです』ってコメント書いててめちゃくちゃ分かりやすくて笑いました。
大河ドラマの影響か紫式部と源氏物語の展示をしてまして、曜変天目茶碗見たいだけで源氏物語はあんまり興味ないんだよな〜…と思ってたのですが、分かりやすい解説パネルと学芸員さんのコメントのおかげで一つ一つめちゃくちゃじっくり見て楽しめました。

さて。いよいよ曜変天目茶碗とお目見えです。結構しれっと置かれてました(笑)
なんとこの美術館、全作品写真撮影可です…。スマホ持ってうろうろするので見張りもいないし禁止しても撮る人は撮りそうだけれども。画期的過ぎる。



見えますかね…この碧の煌めき。黒い斑紋。
三つのうちでも最高峰と言われている曜変天目茶碗は東京にあるやつなんですけど、それは斑紋の周りがぶわーっと白くなってるんですよね。芸術が分からん奴で申し訳ないんですが個人的にはこっちの方が全体的に青くて宇宙みたいで好きですね…。ぶちぶち苦手なのでコントラストきつい斑紋はウッてなるのもある。でもいつか東京のやつも見たい。ちなみにあと一つは京都らしいです。



あとこれも面白かったです。
源氏物語の一帖(須磨)と絵と、物語に合う綺麗な短冊を貼ってあるという。コラージュじゃん…。ってなりました。
確かにそう考えれば二次創作や推し活に思えて来るんですよね…。源氏物語、巨大ジャンル過ぎる…。

綺麗な庭園もありました。



塔まである…。
大富豪による美術館らしいのでブルジョワジーがすごい。
変わった美術館で面白いし綺麗だし駅激近だしめちゃくちゃ涼しかったので興味のある方は是非。
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