私はきっと神様のこどもだったのです。

恵まれた容姿に、優れた頭脳と身体能力。私にできないことなどありません。なんでもできるのです。だから誰の助けもいらないのです。私以外の人間など必要ないのです。要るとすれば、私を誉め讃える人間くらいでしょうか。でもそれだって、わたしの素晴らしさを見たら動物も植物も天気までもが私を称賛するのですから、必要ないのです。
私は孤独でした。でもそれも仕方のないことなのです。突飛に優れた人間とは、いつの時代も孤独なものなのです。

そう自分に言い聞かせて、この歳まで生きてきました。振り返るとそこにはなあんにもありません。つまらないテストの評価と、拙い人殺しの術と、それだけ。

それだけしか、私には残ってなかったのです。



20121010
平滝夜叉丸の独白