※全然要素ないけど現パロ



「死にたい」
「じゃあ死ねば」

なんてことはない呟きにも、君は律儀に反応してくれるからまた調子に乗る。

「一緒に死のうよ」
「やだよなんでお前なんかの為に」

「じゃあ殺してよ」

ずっと本を読んでいた目が此方を向き、ゴキブリでも見るような視線が私を射抜く。かさついた手が本を置き、私の首筋に伸びてきた。絡まる指先はひやりと冷たい。

「殺してあげようか」
「うん、殺してよ」

緩やかに絞まる気道から、ひゅるりと空気が抜けてゆく。ぼやんと頭があたたかくなった頃に、ぱっと手を放された。反動でごぽりとむせ返る。

「やっぱやめる。お前のせいで僕の人生めちゃくちゃにされるとか、たまったもんじゃないし」

言うと、雷蔵はまた本を手に取り、黙々と読み始めた。私の首筋にはうっすらと雷蔵の手形が残っている。

あぁ幸せだなあ、と呟けば、ばっかじゃないのと返事がきたので、やっぱり雷蔵は優しいのだ。


/君と死ぬために生きている