緑間は自分を褒めることを知らない。
どんなに練習を頑張っていようと、どれだけ試合で好成績を残そうと、あいつはそれを慢らない。
何故なら、あいつにとってはそれが当然だからだ。

ね、真ちゃん。お前はすごいよ。いつもあんなに練習して、試合でもばっちりシュート決めて。エース様にだって、プレッシャーやら不調やらはあんのにさ。真ちゃんすごい、頑張ってるね。

自分を追い込むことはすれど、労ろうとしないその手を包んで、お前はすごいよ、とこんこんと説いてやると、緑間はそうか、と言って少しだけ笑う。その顔が、俺はたまらなく好きで。

「真ちゃん、ナイッシュ」

すれ違いざまに肩を叩く。眼鏡を押し上げる指の奥で笑う緑間を、俺だけが知っていればいい。


/素直じゃない君で居て