あたしの永遠をあんたにあげる

 やはりイった後のヤツの口のナカは甘く、舌でべろっと唇を舐めるとぶわっと甘さが舌に拡がる。それが気持ちよく、必死になって舌をヤツの口のナカへと入れ込んで舐めていると、ヤツもおずおずと俺の舌に自分の舌を絡めてきたのでそれごと吸うと、大量のヨダレが口のナカに溢れてくる。
 それをのどを鳴らして飲み下す。甘いにおいが鼻に抜けて気持ちがイイ。
「はあっはあっはあっはあっ……は、はじめ、さ……はあっ、好き。大好き……はあっはあっ、だめ、もっと、もっとシて。シてくれないとやだ。もっとがいい」
「もう、これで最後だ。正常位でキメる。いいな? ガン堀りでいくぞ」
「はあっ、ああっ、掘って! 掘りまくって!! おれももう、限界っ……!! はあっ、だめ、興奮するっ……すごい、期待しちゃう……!! ああ、早く、早く突いてっ!! 突きまくってぶっ壊してっ!! はあっ、はああっ!!」
 ヤツは自分から正常位の体勢になり、ゆるゆるに緩んだアナルを手で拡げて見せてくる。
「ココ、ぶっ挿して。挿し殺して。はあっ、んんっ、早くっ……!!」
「お望み通りにしてやろうじゃねえの、上等だよ」
 ぐいっとヤツの腰を引き寄せ、すっかりと緩んだアナルにチンポを挿れ、そのままの勢いで激しく腰を使い、ガン掘りを開始する。すると、ヤツが激しく喘ぎ出した。
「うあっ!! うあああああああ、ああああああー!! やあっいやだあああっ!! やだっはげ、激しっ!! あっくううううう気持ちいっ、気持ちいっ!! イイイイイイイイイー!! やっやっ、気持ちイイッ!! はあっはあっはああああああああー!!」
「おらっ、ガン掘りだっつっただろうがっ!! こんなモンじゃねえぞ。もっとだ。手ぇ寄越しな」
 無理やりヤツの手首を引っ張り、繋がりを深くした上で、さらに力強く腰を使って掘りたくってやる。
「ああっああっ!! 止め、止めてえッ!! も、もういやだああっ!! イクのいやああっ!! いやっああっああっあっあっあっあっ!! き、気持ちいっ!! うあああっ!! ああっああああああー!!」
「もっと掘って欲しいんじゃなかったのかよ。イクのやだってなんだ、この、ドエロがッ!! もっともっとだろ? もっとだろうが、もっとって言えっ!!」
 ガツンと腰を使ってやると、ヤツが「かはっ!!」そう言って首を仰け反らせ、必死になって訴えてくる。
「もっと、も、っとおっ!! ああっああっ、いやっ、もっとしてっ!! もっとがいいっ!! もっと、もっと、もっとぉっ!! ブチ込んでっ!! ナカ掻き回してぶっ壊してぇっ!!」
 その叫びに自分の箍が外れる音が聞こえた気がした。
 さらに力強く腰を使ってガン掘りの中でもさらに激しくまるでヤツの身体ごと貪るように激しく腰を叩きつけてやる。
 すると、狂ったようにヤツが喚き出す。
「あああああああー!! うああっ、あああうううううイック、イック、イックうううううっ!! いやだめっだめイクっ!! い、い、い、イクッ……い、イっちまうううううっ!! あああっあああああっあっあっあああああああイックううううっ!!」
 全身が震え出し、持っている手首からも充分に震えが伝わってきて、腰にガシッとヤツの足が絡まり、その足も震えている。
「ああクッソ、締め付けやがって!! ああ、だめだ、俺もッ……ああクソ、イクッ!! イクぞ!! おい、聞いてっかこのド淫乱!! イクからな、オマエもイけっ!! 中出しだ! 中出しするけどいいな!! 種付けだ!! 俺のガキ孕めッ!! ああクソッ、イック、イクイクイクイクッ!!」
 すると、ヤツも狂ったように首を打ち振って、涙を零しながら訴えてくる。
「おれもっ、俺もイクッ!! あああああイック、イクイクイクイクイクイクッ!! ああああだめええええっ!! だめやだっやだイクッ!! ああああっああっあっあっあああああああー!! ああああああー!!」
 ガクガクガクガクッとヤツの身体が捩れ傾ぎ、覆いかぶさりながら俺も同時ほどにイってしまい、ヤツのナカに思いっ切りザーメンを吐いてしまう。狭い胎内だ。ナカで俺の子種汁が拡がっているのが分かる。それに、快感が強すぎて頭がクラクラする。腰から下がばかになりそうな感じ。
 完全に、征服したと感じる瞬間だ。これは、女では味わえない感覚だと思ってる。男で妊娠しない、ヤツの身体があってこその、この満足感は他では絶対に、満たせないものだ。
 ヤツは未だ身体をガクガクさせながらイっているようで、腹に熱い飛沫を感じる。
 そのままヤツのほっぺたを両手で包み込み、無理やりキスするとすぐにヤツも乗ってきて二人して互いの口のナカに舌を這わせ、舌と舌とを絡ませ合いそしてヨダレを啜り飲んで満足いくまで唇を合わせ、そっと離れていくとヤツの手が俺のほっぺたを包み込んだ。
「はあっはあっ、はじめ、さん……は、は、はあっ、好き……大好き、大好き、愛してる……ん、好き」
「はあっ、俺も、お前が好きだ。愛してるぜ、龍宝」
 そう言ってまたちゅっと軽くキスしてやると、それは幸せそうに笑った。
 その後も、俺たちは互いの情熱を叩きつけ合うようなセックスを繰り広げ、先ほど散々ザーメン吐いたにも拘らず、ヤツを何度もイかせたし俺も何回もヤツのナカでイった。イキまくった。
 熱を吐き出し終わると、やってきたのは静かな満足感だった。身体ン中が燃えてるみたいだったそのすべてをヤツにぶつけ、そしてぶつけてきた俺たちに訪れたのはただただ、燃え滓のような、夢みたいに満たされた気持ちだけだと思う。ヤツもきっとそうだと、何故か分かる。
 相変わらず、ヤツは俺の心臓の上に頭を置いていて、静かに呼吸を繰り返して身体を擦ってくる。
「……身体が熱いのは、鳴戸親分と一緒。でも、あなたは親分じゃない。そのことが何故だか今になって、とても安心します」
 妙な言葉だ。何が言いたい?
 黙って聞いていると、ヤツは何故か涙を零し始め、ぐすぐすと泣き始めた。だが、それが悲しみの涙じゃないことだけは何だかよく理解できないが、分かった。
 そのまま黙っていると、顔を上げたヤツははにかみ、片手で俺のほっぺたを包んでくる。
「……好きになったのが、始さん、あなたでよかった。今だから、言えることがありますよね。あなたを好きになって、本当によかった」
 そう言って、ほっぺたを真っ赤にしながら身体を起こし、顔が近づいてきたのでそのまま黙って唇を受け止める。
 その柔らかで温かな感触をきっと、俺は一生忘れないだろう。そして、この笑顔も。すべてを含めて、俺はやっぱり誰よりも何よりも、ヤツが好きだと思った。
 唇が離れると、花のように笑う龍宝。
 なあ、一生一緒に居てくれよな。誰を裏切ったって構わねえ。だから、離れずずっと、ずっと傍に。

Fin.
prev next

×
BLコンテスト・グランプリ作品
「見えない臓器の名前は」
- ナノ -