地下室の花嫁

 今度こそ仕置きのつもりで歯に肉が食い込むほどにひどく噛んでやると、ビグッと身体が跳ね「あ、はあっ……!」そう言って喘ぎ声を上げ、さらに目尻からぽろりぽろりと涙が零れ、それはほっぺたの丸みに沿って流れていって、その様がすげえキレーに見えてつい見入ってしまうと、今度は続きを促されるように舌を柔く噛んでくる。
 おっといけねえ。口を疎かにしちゃこいつからも不満が出るな。よしよし、もっと噛んでやろうな。
 奥の方から順に、舌先に向かって結構きつく噛んでやると、そのたびに身体を跳ねさせ、そしてそのたびごとに呼吸が荒くなり、噛みながら舐めるその飴と鞭みたいなモンがどうやらこいつの欲情を運んでくるらしく、きつく噛んだ後に必ず、優しく舐めてまたきつく噛みそして舐めることを繰り返してやると、とうとう我慢できなくなってきたのかキスを解かれてしまい、首に両腕が回る。
「ん……もういや、いやです、痛いっ……カラダ、身体いじって欲しい、です。斉藤さんとのキスは、ちょっと痛すぎます」
「でも、好きなんだろ? ひどく噛まれるの、お前好きだろ」
 すると、赤かったほっぺたをさらに赤くしてしぶしぶといった感じで頷く。
「好きだから、困るんです! その、クセに、なってしまいそうで……少し、怖い。だからもう、だめ」
「服、脱がせるぞ」
 ヤツはそれに対しては笑みを浮かべ、こくんと大きく頷いてくる。その身体を支えながら優しくベッドに押し倒していく。
 完全にベッドに沈んだのが分かると、ネクタイに手をかけた。
 するとヤツも俺のネクタイに手を伸ばし、同じタイミングで解かれたそれはベッド下に落とされる。
 シャツ一枚になったヤツの身体に手を這わせると、緩く首を横に振られる。
「じ、直に、直に触ってくれないと……斉藤さんの熱が、もっと欲しい。こんなんじゃいや、いやです」
 言ってくれるじゃねえの。よし、んじゃあ下はもう脱がしてあるし、ワイシャツを脱がすか。
 慣れた手つきでボタンを外し、それから羞恥を引き出すようにゆっくりと、ワイシャツの前を開けていくと、それは恥ずかしいのかぷいっと横を向いてしまい、その所為で真っ赤でつやつやなほっぺたが丸見えだ。
 そのほっぺたがあんまりにも美味そうだったので、べろりっと舐めながら最後の砦であるワイシャツを脱がせ、ヤツが協力して身体を浮かせてくれたのでさっさと取っ払い、ネクタイと同じくベッドの下へと放り、改めて全裸になったヤツの身体を眺める。
 男の身体だ。どこもかしこも男なのに、なんでだろうな。なんでこんなにそそられるんだ。おっぱいだってねえし、付いてるモンは付いてる。なのに何故かな、俺のチンポはヤツの全裸のおかげでさらにバッキバキに勃ってきた。
 でも、ここで急ぐのはイイ男のすることじゃねえ。じっくりとな、こいつを味わってやろう。時間制限はないんだ。だったら、時間かけてゆっくり身体を開いていってやろうじゃないの。
 ヤツの真っ赤なほっぺたを両手で包み込み、ゆっくりとした動作で唇を奪い、そして甘い味のするソレを味わいながら柔らかな唇を吸って、ヤツの舌を誘い出し出てきた舌を間髪入れず噛んでやる。
 それを何度も繰り返すと、拗ねてしまったのか口から出なくなってしまった。
 それはそれで仕方ない。今度は格別にいいにおいのする耳の後ろに唇を移し、くしゅくしゅとくすぐるように舌と唇で舐めてやったりキスしたりするとヤツの身体がぶるっと震えた。
 相変わらず、感度は良好ってことか。いいねえ、すんげえいい。エロい身体だぜ。
 そのまま少しだけ下にずれ、胸筋を掴んでぽつんと勃っている乳首を口に含む。ここだ、ここすんげえヤツの味が濃縮されてて美味いんだ。
 舌も使って、れろれろと乳首を舐めてやるとヤツが「はっ……!」と色っぽい溜息を吐いて、手で口を隠してしまう。その手を退かし、軽くキスしてからもう一度乳首に戻り、乳輪含め乳首をしゃぶしゃぶとしゃぶると、ヤツの身体がぶるっと震えた。
「や、あっ……! ああっああっ、やっやっあっあっ! あっあっ!!」
 甘くてイイ声。すんげえチンポにクる。まるっきりこれも男の声なのにな。なんでこんなにも煽られてんだ、俺は。
 少し顔を上げて舐めながらヤツの顔を見ると、ヤツもこちらを見ていたらしい。真っ赤で熟れた口が半開きになっていて、俺と目が合うときゅっと唇を瞑って「んっ……!」そう言って目を閉じてしまった。
「眼ぇ開けて見ろ。自分が今どんな風にされてるかちゃんと見ろ」
 見て興奮するってのも、大切だ。視覚的エロスってやつだな。これも充分な性的な要素になる。
 乳首を囲うように手で胸筋を掴み、れろれろれろれろと舌先で勃った乳首を舐めると、それを見ていたヤツの身体がピクッ、ピクピクッと跳ねる。
「は、あっ……ん、んん、き、気持ち、気持ちいっ……はあっ、や、だめ」
「なにがだめなんだ? 気持ちイイんだろ、お前は。続けるぜ」
 するとヤツの眼に期待という色が浮かび上がり、じっと俺を見ている。
 今度は反対側の乳首を責めてみることにする。ここも同じように、ぢゅっと強く乳首を吸ってから乳輪含め乳首をしゃぶると、またピクッと身体が動く。
「あ、はあっ、はあっはあっ、は、は、あっ……! あ、ああっ!」
 どうやら乗ってきたらしい。

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