交錯する愛の表現

 その姿に感動すらしていると、急に上目遣いになり妙なお願いをしてきやがった。
「はあっはあっ、は、は、はあっ。あの……斉藤さんの耳、舐めても、いいですか……? 斉藤さんにも気持ちよくなってもらいたい」
 は、俺の耳!? 誰にもしゃぶらせたこともねえ俺の耳をか!! まあ、こいつにならいいか。
「いいぜ、でも優しくな。優しくしろよ、初めてなんだから」
「は、初めて……なんですか? だったら、飛び切り優しくしないと……いけませんね」
 そう言うなり、ヤツは俺の耳じゃなくほっぺたをまず舐めてそれに驚いていると、耳の下の部分をべろりと舌を出して舐めた。
「ん、美味しい……すごく、美味しいです。斉藤さんは、肌も美味しい。やらしい味……」
 そのまま尖らせた舌先で耳の中を抉られ、思わずぞくっと背筋が震える。こ、こいつの舌の動き、エロすぎだろ!! 耳に舌が入るとさらに奥を目指してくすぐるように舌が動き、思わずヤツの身体を抱きしめてしまった。
 ヤバい、これ以上されると変な扉が開いちまいそうだ。だが、ヤツは止めずに軟骨の辺りを柔く噛んできて、そこも丁寧にしゃぶってくる。熱くてぬるついた舌が這い回る様はかなり快感が強い。
 そんなことするならなあ、俺にもさせろ!!
「お、おい龍宝、もういいだろ。それ、俺にもやらせろ。いいだろ?」
「ん……ん? 俺の耳、ですか? でも、あんまりきれいじゃないかも……」
「させろったらさせろ!!」
 少し身体を離してヤツの耳をしゃぶってみる。舌先を使い、凸凹した部分を辿りながら舐めると、なんともかわいらしい声を出した。
「んっ、あっ……ああっ……や、だめ、だめっああっ」
 こいつのだめはいいってことだ。そう理解し、耳の中に舌を挿れるとなんとも言えない旨味みたいな味が舌に拡がって、あまりの美味さに夢中になってピアスを気にしつつもしゃぶしゃぶとしゃぶると、またぶるぶるっとヤツの身体が震え、顔を見てみると眉が八の字になって何ともエロい表情をしていた。
 そそられる表情してやがる。相変わらずこれは変わらねえな。チンポにクる表情だ。かわいい。
 もはや耳だけじゃ飽き足らず、ワイシャツから出ている部分に吸い付くようにして舐めると、ビグッと身体が跳ね「はあっ……」と色っぽい溜息が漏れる。
「ん、ズルい……俺も、俺にもさせて」
 すると、今度はヤツが耳の後ろからワイシャツに隠れている部分までを舐め始め、徐に手が取られたと思ったら、指を口に含んで舐めしゃぶり始めた。
 生温かくぬるついた舌が指を這うと、そこから微量の快感が湧き出てきて、エロスなその行動に驚くばかりだ。
 なんつーことをするんだ、こいつ!! エロすぎだろ!! なんだその切なそうなツラは!!
「ん、ん、ん……はあっ、ふっ、はあっ……指、美味しい……」
 そのまま手首まで行って、ちゅっとキスを置いてから満足げな表情を浮かべて離れていく。
「斉藤さんは、美味しい。なんか、そそられる味がします。はは、すごく……勃っちゃってます、俺。斉藤さんは?」
 そんなこと、聞かれるまでもねえ。
「フルボッキだ。お前があんまりにもエロくて淫乱だから、チンポもつられて勃っちまったっつーの! この、ドエロ!!」
「そうですよ? でも、俺をこんなにしたのはあなたでしょう? 広島で散々あなたに抱かれて、俺はこんな風になりました。最後の晩なんて……思い出すだけで勃ってしまいますよ。それほどまでに、あのセックスは鮮烈でした。だから、あの日のように愛して欲しいってずっと想ってて……それが叶いそうで、嬉しいです」
 ほっぺたを赤くして、はにかむヤツはとてつもなくかわいく、そしてエロかった。これは完全にエロモードに突入してんな。このツラには見覚えがある。見慣れてしまってそして、久しぶりに見るソレはやっぱり、キレーで淫乱だった。
 なんか、こっちまでやらしい気分になってくる。
「おい、龍宝。下脱げ。脱いで尻こっち向けな」
「えっ……そ、そんなっ、裸になるなら一緒に」
「脱がねえなら脱がす」
 強引にヤツをベッドに引き倒し、ベルトに手をかけると反射だろう手で押さえてしまうが、その手を退かすと口元へと持って行って、期待満々の眼でこちらを見ている。
 ベルトを引き抜き、スラックスを膝の部分まで擦り下げてからバックの体勢にしてヤツの尻を堪能することにする。
 未だ下着は脱がせていないのでボクサーパンツ姿だ。女のパンティと違って布の面積が広い。それが気に食わなくて、強引に擦り下げてしまうとヤツのアナルと尻のお出ましだ。
 普段は白いであろう尻は今は桃色に染まって、なんとも美味そうだ。見た目からしてそそられる。パクッと、食っちまいてえような尻だな。尻だけでももはやコッチは煽られて仕方ねえ。
 しかし、こいつ女みてえな尻してやがるな。撫で心地も、最高だ。広島で散々撫でたことを思い出す。尻でも感じるようにしたのは俺だしな。
 今回も、例に漏れず撫で倒してやろうっと。鼻歌交じりだ。チンポはバッキバキに勃ってるけどな。
 両手で膨らみをガシッと掴み、そのまま窄ませるようにして手を動かすとぷりんっと尻肉が動き、肌も手に吸い付くような滑らかさで気持ちよく、その感触を愉しみたくて尻を揺らしたり、さらさらと撫で擦ってみたりとやりたい放題していると、だんだん撫でるたびにヤツの腰がビクッ、ビクッと動くようになる。
 感じているらしい。

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