あふれる絶望と鼓動

 だが、それは許されないことだ。こいつにはそれが分かってる。だから、あんなことを言い出したんだろう。
 俺にどうしろってんだ!! こっ酷く振れって、そんなことできるはずが無いだろうがっ!! 俺だって、ヤツを愛してる。愛おしいんだ、心の底から、ヤツが愛しい。
 俺にもし……撫子がいなくて、鳴戸がいなかったらきっと、道は違っていただろう。俺たちが幸せになるというルートが、きっと何処かにあったはずだが残念ながら、この世界線には無かった。
 俺には撫子っつー彼女がいて、あいつには鳴戸って男がいる。
 それぞれ大切にしなきゃならない相手を抱えてんだ。俺たちだけのエゴで俺たちが抱いているそれぞれの幸せを大事にしなくちゃならねえ。
 覚悟を、決めなければならない。ヤツと決別する覚悟だ。涙が出そうに悲しいが、俺たちはもう既に運命の相手と出会ってんだ。
 だったら、取るべき行動は一つだろう。
「龍宝……しゃがめ。床に尻つけて、俺の前に座れ」
「え……あの、それはどういう」
「黙って言うとおりにしろ。俺が好きなら、できるはずだ」
 すると、ヤツは戸惑いながらも仁王立ちした俺の前にペタンと座り、上目遣いでこちらを見つめてくる。
 その視線を感じながら、無言でベルトに手をかけてカチャカチャとなんだかエロティックにも聞こえる硬い音を立てながら外し、そしてチャックを降ろす。
 すると、下着を押し上げてチンポが半勃ちしているのが眼に入り、思い切ってスラックスと一緒にパンツもずり下ろすと、ヤツは目の前に現れた俺のチンポを見るなりさっと目を背け、顔を真っ赤にして身体を震わせ始めた。
「えと……は、恥ずかしいです。し、仕舞ってください。こ、これは、ちょっと……」
「口開けろ、そんでしゃぶれ」
 俺のその言葉に、ヤツは驚愕の表情を浮かべて見上げてくる。
「や、いやです、そんなっ……そんな、こと、できません……」
「できる、できねえんじゃねえんだ。やれっつったらやらねえか。俺が好きなんだったらしゃぶれるだろうが」
 これは、広島に居た時でも絶対にさせないことだった。
 俺のでヤツを汚すことなんかできるはずもなく、ヤツは咥えたがったがこれだけは絶対に拒否してきたことだ。
 じんわりとヤツの眼に涙が盛り上がる。
「なんで、そんなことをいま言うんですか。何故……」
「四の五の言ってねえでさっさと口開けろ! んで、しゃぶれっ!!」
 チンポを持ってぐっとヤツの口に押し付けると、恐る恐るかわいい口が開いたところでヤツの頭を掴み、腰を使ってぐっぐっと龍宝の口のナカにチンポを押し挿れてゆく。
「む、むぐ、むぐううっ!! うっぐっ……!!」
 苦しいんだろう、ヤツの顔が苦悶の表情へと変わったが、容赦なくピストンする形で腰を使いヤツの口を出入りさせる。
「おっと、歯は立てるなよ。おい、もっと入るだろうが。挿れるぞ」
 首を横に振っていやがるヤツだったが、無理やりという形でさらにのど奥へとチンポを押し挿れると、嘔吐反射が起こったのかヤツが苦しみ始めた。
「げ、げえっ……げぼっ、げっげっ、がはっ! が、はっあっ……あ、は、ああっ! は、はああっ!」
 両眼を硬く瞑ると、ぽろぽろと涙が際限なく溢れては頬を流れ、えづきながらのイラマチオは見ている方もつらいもので、それでも俺の精一杯の嫌われ役としての役目を何とか果たしたい一心で、さらにヤツにきついもの強いる。
 しっかりと頭を固定し、チンポに押し付ける形でゆさゆさと頭を揺さぶると、さらに涙が大量に零れ、顔は真っ赤に染まってなんとも苦しそうなツラをしている。
「ぐっ、ぐっぐっ、うっぐ、ふっく、うぐうううっ……うぐ、うぐ、う、う、げえっ!」
 つらいだろうな。俺もつらい。お前のそんな顔、見たくもねえ。けど、仕方ねえんだ。お前がこっ酷い振り方してくれって言うから。
 これしたら、お前は俺をきらうだろ? こんなことした、俺をきらいになるはずだ。それでいい。それで、丸く収まる。
 俺は撫子に、お前は鳴戸に戻れる。
 苦しさにあまりか、両手で拳を作りポカポカと下半身を緩く叩かれるが、そんなんじゃ俺は怯まねえよ。
 仕置きとばかりに、がっしりと両手で頭を持って腰も使ってのど奥めがけてチンポを突っ込むと、ヤツの涙は量を増し、口からヨダレが引っ切り無しに零して床に池を作っている。
 それでも止めることなくひたすらにイラマチオを続けると、当たり前だが、だんだんとチンポがデカくなってきてイキたい気持ちも強くなる。
 ヤツもデカくなったチンポを咥えることが難しくなったのか、嘔吐反射がひどいらしく目を真っ赤にしてヨダレを大量に垂らしている。
 そのうちに、ヤツは俺に縋るようにしてワイシャツを握り、自分から咥えようとしていることに気づき、従順に口を大きく開いてぬぽぬぽと音を立てながら俺のチンポを咥えている。
 そのあられもなく健気な姿に、一気にイキの波がやってきて、ヤツは涙で濡れた眼で俺を上目遣いで見つめ、さらに強くワイシャツを握ってくる。

×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -