愚かな私の無駄な足掻き

 そして、鳴戸に事務所には顔を出さないと言ってから四日が経った。
 その四日間、龍宝にとってはもはや地獄のような日々で、自分が女になる夢を見てはペニスを勃たせ、そして自慰をするということを繰り返していた。
 それも、昼寝の時にもそういった夢を見るものだから、昼間から自慰に耽りたくっては精を吐き出す。
 そのことの繰り返しを何度しただろう。
 夢の中で、何度女になったことだろうか。鳴戸に指を挿れられ、濡れてると幾度も言われながらとうとう、夢精までした。
 女として、イったことになる。実際はザーメンが出たが、気分的には女イキと変わらない。夢の中のアナルはもはや女の膣で、夢の中で濡れそぼっているソコに鳴戸のペニスが埋められた夢まで見る始末。
 夢の中の鳴戸はそれは気持ちよさそうな顔をして腰を振っていて、自分はそんな鳴戸のペニスを感じながら啼いてはさらに愛液でナカを濡らし、イキまくる。
 そして、五日目の朝。
 やはりこの日も鳴戸の顔を見なくなってから見る夢で眼が覚め、ペニスはフルに勃起しており、いい加減にして欲しいと、掛け布団を剥ぎ、そして横たわりながらむんずとペニスを掴み、思い切り上下に擦り上げる。
 こうなったら、出して出して出しまくってこれ以上何も出ないようにしてやれば、安眠がやって来るのではないか。
 そして、鳴戸の呪縛から解き放たれるのではないか。そう思った龍宝はイクことだけを目的としてひたすらにペニスに向かい合うことにした。
 まずは、一発目。
 欲望のままに無心で目を瞑り、眼の裏に鳴戸の裸やペニスを思い浮かべ、ペニスを握りしめて上下に擦り上げる。痛いほどに握りしめながらのそれはやはり気持ちがよく、あっという間に追い上げられてしまい啼きながらイってしまう。
「うあっ! ああっ、あああううううっ!! イック、イック、イクイクイクイクイクッ!! ああああイックううううっ!! ああっあっあっあー!!」
 びゅびゅっと飛んだそれは手や胎にブチ撒けられ、そのまま連続でペニスを持ち、萎え始めたそれをひたすら追い詰めるようにして手で刺激してやり、擦ってゆくとすぐに復活し、手の中でピクンピクンと跳ねながら快感を訴えるようになる。
 それを、容赦なく握りしめて擦ってゆくとだんだんと射精感が高まってくる。そしてその時に思い出したのは鳴戸がアナルへ埋め込む時に浮かべる色のある顔で、その表情を思うだけでペニスは即、反応を示し硬くしなってゆく。
「あ、あ、あっ……おや、おや、おやぶんっ、イイッ……あっあっ、イイッ……! や、もっと、して、もっと、もっとがいい」
 勝手に漏れ出る独り言は興奮を呼び、鳴戸の名を呼びながら自身を扱きながら高めてゆく。
 すると今度の絶頂は早く、あっという間に限界が来てしまい叫びながらイってしまう。
「あああっ!! うあああっ、あああうううっ、イック、イック、イックううううっ!! おや、おや、おやぶんイクッ!! あああああああイックうううっ、ああっあっあっあっあっああああー!!」
 またしても勢いよく鈴口からザーメンが飛び、それらはすべて腹や胸に飛んで、荒く息を吐くその身体の動きに合わせ、ドロドロと肌の上で泳ぐ。
 そして三回目になると、また違った疼きが出てきた。
 その疼きは大いに龍宝を動揺させた。というのも、アナルが気になる。アナルというよりも、奥が気になり始めたのだ。何かが足りない、それが何か今まで分からないままイっていたが、三度目にして漸く、自分の欲しいものが何なのかはっきりと分かってしまった。
 奥に、ペニスが欲しいのだ。あの太い肉棒が欲しい。Gスポットを突いてもらって、ナカにアレを挿れたまま絶頂に達したい。
 その気持ちがかなり強く出て、困惑して必死になってペニスを擦るが疼きは増すばかりでイクこともできなくなり、痛いほど扱いても弱い亀頭をいくら撫でても抓っても潰してもどうしても絶頂に達することができない。
 このもどかしさの正体。
 龍宝はザーメンとカウパー液に塗れた手で棚を探り、中からクリームを取り出して手に取り、それを暫く見つめた後、白色のクリームを中指に塗して身体を横に向けて後ろからアナルを探る。
 そして、歯を食いしばって屈辱に耐えながら中指を一本、アナルに刺し挿れると一気にペニスがビインッと飛び跳ねソノ気になってくれたのをいいことに、ゆっくりと指をナカへと挿れてゆく。
 そして思った。欲しかったのは、この刺激なのだと。
 そのまま細かくピストンを加えながらナカへナカへと指を送るが、肝心のGスポットに届くことは無く、仕方なく指を収めたまま片手でペニスを扱き始める。
 これだけでも、充分に興奮するし快感も倍増しだ。まさか、アナルに指を挿れるだけでここまで感じる快感が強いとは思ってもみなかった。
 もはや夢中になってまるでケダモノのように息を荒く吐きながら必死になってアナルを指で慰めながら手の動きを速めてゆく。
「ああっ、はあっはあっはあっはあっはあっ、おや、おやぶんイイッ!! あっあっ、イイッ、イイッ、あっあっ、だめ、だめイクッ! い、い、イクッ……!! や、い、イクッ!! イクイクイクイクッ!! ああああイックッ!!」
 もっと太いモノが欲しいが、指以外の異物を挿れる気にもならず、仕方なく指を二本に増やしてみると今度こそ満足いく快感が少しだけ増し、ぐちゅぐちゅと粘着質な音を立てさせながら指の出し挿れを激しくし、ペニスを扱く手にも力が入り頭の中を飛ばしながら絶頂に向かってひたすら指と手を動かす龍宝だ。
 絶頂は、もうすぐそこにある。
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