愛のゆくえ

 その快感たるや相当なもので、龍宝も勃ってはいたがその視覚的エロスに思わずさらに硬くしてしまう。
「あ、はあっはあっああっはあっ、んっんっ、気持ちいっ、気持ちいっ! あっあっ!! や、あっ!! はあっはあっ、あっあっ!!」
 思わず扱いている鳴戸の腕を撫でると、今度は亀頭同士を擦り合わせてきてその快感により、一気にカウパー液が鈴口から湧き出してきて、それは鳴戸も同じだったらしい。あっという間に二人の体液で扱くたびにくちゃくちゃと水音が立つようになる。
 すると、鳴戸が顔を快感で歪めながら笑った。
「おい、見ろよ。俺のチンポとお前のチンポ、エロい汁が糸引いてるぜ。すんげえ、エッロい画だぜ……! 興奮する。おい、もっと扱くぞ」
「はあっはあっはあっはあっ、んっんっ、扱いて、扱いてくださいっ! あっあっ、気持ちいっ! おや、おや、おやぶんっあっあっ、んっあっ!!」
 のどを反らし、そして背を海老反らせると下の鳴戸がのどを大きく鳴らしたのが分かった。
「エッロ……龍宝お前ってヤツはエッロいなー。すげえそそられるぜ。んな風に感じてるの見ると。俺は幸運だな。お前が手に入ってさ」
 鳴戸も息荒く、龍宝に負けず劣らず肩で息をしており、手を激しく上下にひたすら動かしてくる。
 たまらない快感だ。
 真っ赤な二本のペニスがキスし合い、触れ合い、そして糸を引きながら愛し合う姿というのはここまで気持ちよく、そしてそそられるものだったのだ。
 興奮が隠しきれない龍宝は、自分でへそをいじったり、鳴戸の乳首に手を伸ばしたりといろいろ仕掛けたりしては喘ぎ、啼いて快感を訴える。
「や、あっ……おやぶんの、熱いっ……んんっはあああ気持ちイイッ……!! うあっ、や、だめ、だめだめそんなに手、早くしたらイクッ!! イっちまううううっ!! ああんっんんっんあああ!!」
「あっクソ、俺もめちゃくちゃ気持ちイイぜ! いいな、兜合わせ。これからのメニューに入れとくか。つか、エッロいな、この図。また糸引いてやがる。おい、エロ汁の量増してねえ? 俺のもかなり出てるけど、お前もすげえな。ん、はあっ、あっ、気持ちイイッ! ああクソ、イイな。イイぜ」
「んっんっ、も、イクッ……!! ああああイックううううっ!! だめだめ、手、だめっ!! 早くしたらイクッ、イクッ!! あっあっ、イクイクッ!!」
 本当にイってしまうと思った。それくらい、この兜合わせというものは快感が強い。特に、亀頭同士が触れ合っている時に手が滑ると、それだけでイってしまいそうなくらいには、気持ちがイイのだ。
 鳴戸の手淫が上手い所為もあるのだろうが、それだけでは片づけられない何かが、この兜合わせにはあると思う。
 下を見ていると、目の前には鈴口が二つ並んでおり、そこから絶え間なくこぷこぷとカウパー液が溢れ出しており、どちらも同じくらいに助平な汁が止めどなく湧き出ては手の滑りを良くしている様子。
 そのうちに、だんだんと射精感が高まってくる。抑えようもない、快感と初めての兜合わせという興奮に、身体が落ち着いてくれないのだ。
 そのうちにやってくる、強烈な絶頂。
「はあっ!! あ、あ、ああああっ!! あっく、うっく、おや、おや、親分イクッ!! い、い、イっちまうううっ!! ああああイック、イクイクイクイクイクイクッ!! やあああイックうううっ!! おや、おやぶんもっ、おやぶんもっ!! 一緒、いっしょがいい!! 一緒にいっ!!」
「おおっ! イクか! 俺も、イクッ……!! ああああクッソ、イっちまうっ!! よし、今からかなり気持ちイイことしてやるからそれでイけ。俺もイクッ……!!」
 そう言うなり、亀頭だけを持って手の中で揉み合わせるようにされた時点であっという間に絶頂感が高まり、のどと背を反らせ、龍宝はイってしまっていた。
「あああああああ!! イック、イック、イックううううううっ!! ああああっ、ああっあっああっああああっあああああー!!」
「うっく、俺もイクッ!! ああクソ、気持ちイイッ! イっちまうっ!! イクイクイクイクッ!! イクッ!!」
 ほぼ同時に、二つのペニスがぶくぶくぶくっと膨れ上がり、鳴戸のペニスからは勢いよくザーメンが飛び散り、それらはすべて鳴戸の腹へと飛んで、龍宝のペニスからは控えめにぴゅくっと飛び、そのままバタンと倒れるように上半身を鳴戸に預け、キスを強請る。
 やはり、情事の終わりはキスだろう。
 両手で鳴戸の頬を包み、口づけるとすぐにでも背に腕が回り二人の身体は隙間なく埋まり、ぴったりと合わさった状態で口づけに溺れる龍宝と鳴戸だ。
 しきりに角度を変えて口づけ合い、舌を柔く食んだり食み返しては溢れ出る唾液を飲み下し、鳴戸の舌が龍宝の咥内を探れば、同じように探り返したりと散々、口のナカも愛撫して心行くまでキスし合ったところで唇を離す。
「んっ、はあっ……はあっはあっ、おやぶん……好き」
「おう。俺も、お前が大好きだぜ。……愛してる」
 まるで蕩けそうな笑顔を浮かべた龍宝は、鳴戸に擦り寄り熱い吐息を漏らす。
「幸せ過ぎる……こんなに幸福でいいのでしょうか。少し、怖い……」
 至近距離にある鳴戸の顔は薄っすらと笑んでいて、龍宝の片手を取り指の股に指を入れてぎゅっと握りしめてくる。
 そして龍宝を上に乗せたまま上半身を起き上がらせ、片手が腰に回るとそのままさらに抱き込まれ、穏やかな表情で硬く握られた手を掲げる。
「この手は、一生離さんぜ。お前も、そういう覚悟でいろ。言っとくが、俺の愛は重いぜ。お前が耐えきれるか、不安になるくらいにはな。いいか、この先どんな戦いが待っていようと俺はお前と生き抜く。戦い抜いて生きる。……その後は、二人で幸せになろうぜ。今よりもさらに純度の高い幸福を手に入れて生きようじゃねえか。なあ?」
「おやぶん……」
「愛してるぜ、龍宝。俺も、お前のために生きる。お前を護って、戦って生きる。その覚悟も、今できた。だったら、生きて生きて生き抜いて、幸福を手に入れようじゃねえか」
 そう言った鳴戸の顔は精悍で、生きる力が漲っているように見える。その鳴戸の覚悟に押されるよう、龍宝も握られた手に力を入れ、握り返す。
「……この手をどうか、ずっと離さないでいてください。俺を、もう二度と独りにしないで……おねがい、です」
「離さねえ。ぜってー何があろうが離さねえぞ。お前からも言ってくれよ、愛してるって。俺のこと、好きってさ、言ってくれよ龍宝」
 何故だか涙が滲むと思う。瞳に涙を溜め、鼻先が触れ合うくらいに近づき、まるで溜息を吐くように、龍宝は愛の言葉を口にした。
 この言葉が永遠のものになるよう、願いと祈りを込めて。それが二人の、一生の約束になる。
 そう確信を持ちながら、握っていた手をさらにきつく握りしめた。

Fin.
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