奪い奪われて愛憎子午線

　腰を深く刺し込むようにして動かされると、奥の奥へと当たるため快感が強い。ぐっぐっと強く腰を使われてしまい、もはや悶絶の龍宝だ。
「あああっ、はあっはあっ、奥ッ当たるッ！！　当たる当たるッ！　ああああ気持ちいっ！　気持ちいっ！！　あっあっあっあっ、ああああああ！！」
　必死になって喘いでいると、徐に鳴戸が身体を起こし、今度こそイクことを目的とした腰使いに変わったのが分かった。
　乱雑で、何より激しい。
　龍宝の上腕部を握りしめ、ガツガツと貪るように腰を使ってくる。その動きは早く、そしてかなり乱暴なものだがそれはそれで気持ちイイ。たまらない快感だ。
「あっあっあっあっあっあっあっ！！　だめ、だめだめ気持ちイイ気持ちイイッ！！　あああ良すぎるだめええええ！！　あああああああイックうううううっ！！　はああっだめ、だめだめだめだめイック、イック、イックうううううっ！！　おや、おや、おやぶんもっ！！　おやぶんもぉっ！！」
「おお、いいなそろそろイクか。よし、ラストスパートいくぜ！！　俺も、もうイクッ……！！」
　さらに乱雑になる腰使い。もはやめちゃくちゃだ。
　ひたすら身体を揺さぶられ、絶頂は目の前だ。鳴戸の表情にもすっかり余裕が無くなり、息を荒くしながらひたすらに腰を打ち付けてくる。
　もう限界だ。
　そう思うか思わないかのうちに目の前が真っ白にスパークし、チカチカと細かい光が見えたと思ったら、ぶわっとものすごい勢いで下半身で巡っていた快感が爆発し、腰という腰、足に身体を跳ねさせ、そして捩らせながら最後の絶頂へ達してしまう。
「あああああああああっ！！　あああうううううっ、イック、イック、イック、イックううううううっ！！　うううううあっうあっうああっ、ああああああああー！！　イクイクイクイクイクイクイクッ！！　イックうううううっあああっああっああっあっああっあっあー！！　あああああー！！」
　ザーメンはさらに量を減らしてぴゅっとだけ飛ぶと、鳴戸がガツンと腰を使って限界までペニスを埋め込まれた上で、怒鳴るようにして上から声が降ってくる。
「おいっ、おいクソッ、俺もイクッ！！　あああああああイック、イック！！　オイッ、中出しするけどいいなっ？　いいよなっ？　中出しさせろ！！　種付けだ、孕め、孕みやがれ！！　あああクソ出るッ！！　イクイクイクッ！！　ああクソ返事！！」
「あっあっ、出してっ、中出してっ！！　種付けして孕ませてっ！！　孕むッ孕むほどたくさん、白いのちょうだいっ！！　ください、白いのたくさん、たくさんください欲しいっ！！　中出してっ！！　イって！！　イって！！」
　すると、さらに腰を使われナカに埋まっているペニスがぶくぶくぶくっと大きく膨らんだと思ったら、何度にも分けて大量の熱い飛沫を感じる。鳴戸がナカでイっているのだ。
「ああああクッソ、イっちまってる！！　気持ちイイッ……！！　はあっはあっはあっはあっ！！」
「あ、あっ……や、熱いのが、ナカいっぱいに拡がってるっ！　あああああ、気持ちイイッ……！！　すっごく、イイッ！！　ザーメン、だいすきぃ……！！　はああっ、もっと出して、中出しして」
「ばか言え、もう出ねえよ。はあっ、中出しめちゃくちゃ気持ちイイ。龍宝、大丈夫か」
　そう言うか言わないかのうちに、覆いかぶさってきた鳴戸に口づけされ、思考も身体もトロトロに蕩かされてしまった龍宝は、鳴戸に咥内を貪られているのが分かりながら、それは分かっただけに終わり、一方的にひたすら口のナカを舐められたくり、最後に舌を吸ってちゅっ……と音を立てて唇が離れてゆく。
　そして、龍宝を潰さないように身体を重ね合わせてくる。
　汗みずくのその身体は高熱を発しているか如く熱く、湿っていたがそれは龍宝も同じだったので、肌と肌が触れ合うとすぐにそこが濡れ、汗が噴き出てくる。
「あ、はあっ……は、は、はあっ……ん、おやぶん好き……はあっ、大好き……好き、です。好き……」
　あまりの満足に、勝手に顔が笑んでしまいうっとりと鳴戸を見上げ両手で頬を包み込む。
「好き……おやぶん……大好き」
　するとずいっと鳴戸の顔が近づいてきて額と額が合わさり、至近距離にいる顔も同じように甘い笑みを浮かべてちゅっと口づけ、唇と唇が触れ合いそうな近さで溜息のように言葉を吐いた。
「俺も……お前を愛してるぜ。……すげえ、好き……愛してる。これからは、ずっと一緒にいる。龍宝、一緒だぞ」
「ん……」
　小さく頷き、目を瞑ると本格的に口づけが始まり、舌と舌とを合わせて擦り付け合い、ぬるぬるとしたその感触を思う存分愉しむと、鳴戸の舌が咥内に入り込んできてナカを大きく舐められる。龍宝も同じように鳴戸の口のナカを舐めて愛撫すると、応酬になり舌を柔らかく食んだり、溢れる唾液を心行くまで啜り、そしてのどを鳴らして飲み下す。
　顔が熱くなってくる。
　鳴戸の手も龍宝の両頬を包んでいて、その熱が移ったのだろうか。
　今はその熱が何故か切なくて、涙が滲んでくる。仰向いている所為で目尻に涙が溜まり、それがこめかみを伝ってすっと枕に染み込んでゆく。