きわどい仮死を撫でる

 いやいやするように首を振り、もう一度口づけを求める。
 なんだか、やけに口淋しく感じるのだ。
「おやぶん、キス、キスを……キス、して。たくさん……たくさん、して……してください。ん、して」
 口を開けると、大胆にもそのまま咥内を大きく舐めてきて舌を絡め取られてしまい、そのまましゃぶりつかれるが龍宝とて黙ってはいなく、逆に絡めるようにして舌を使い鳴戸との熱い口づけに溺れる。
 くちゅくちゅと濡れた水音が耳に届き、思わず顔を赤くしてしまうがその音にも興奮してしまい、必死になって鳴戸の首に腕を回して舌を動かす。
 そのまま暫く口づけは続き、舌を動かし過ぎて痺れ満足する頃に、咥内に溢れる唾液をのどを鳴らして思い切り飲み下すと、鳴戸も同じく、ごぐっと音を立てて唾液を飲み込んだようだ。
 すると徐に唇が離れてゆき、ちゅばっと音を立てて乳輪含め乳首が鳴戸の口のナカへと消え、舌を使ってしきりに乳首の小さなでっぱりを突くようにして刺激してくる。
 そのたびに身体がピクンピクンと跳ね「んっんっ、んん、ンッ!」と小さな啼き声が漏れてしまう。
「あ、はあっ、は、あっ! あ、ああっ、や、だめ気持ちいっ、気持ちいっ! やっあっ、おやぶんっ!」
「お前ってココ弱かったっけ。ああ、全身感じるように俺が躾けてやったっけな。んでも、本当に弱いとこはココじゃねえだろ? ん?」
「は、はあっ……覚えて、いてくださったんですね。そう、ココも気持ちイイけど……違うところが、もっと好き……」
 そう言って人差し指を咥えると、ごぐっと鳴戸ののどが大きく鳴る。
「……誘うなよ。やらしいヤツだな。いつからこんなにやらしくなりがったんだ? って、それも俺仕込みか。ま、そうなら仕方ねえわな。お前こそ、忘れずにいてくれたんだな。嬉しいぜ」
 その言葉に、頬を赤らめながら大きく頷く。
「おやぶんにされたことは全部、しっかり覚えていますよ。与えられた快感も、熱さも何もかも、覚えてます。だから、期待してしまうんです。言いませんよ、何処が一番感じるかは。おやぶんが思い出してください。……見つけてもらえるの、待ってます」
 そう言って再び人差し指を噛み、じっと鳴戸の動向を見守ることにする。
 すると急に雄くさい表情を浮かべた鳴戸が不敵に笑う。
「見つけるもなにも、覚えてるっつうの。お前の好きな、イイトコくらい覚えてないで伊達に男なんて抱いてねえのっ! ココ、だろ? 舐めてやると、悦んでイってたもんなあ、かわいいかわいい俺の淫乱子ちゃんは」
 鳴戸の唇は胸からだんだんと下へと降りて行き、所々にちゅっちゅっとキスを落とし胃の辺りを集中的にキスすると、徐にぺろりと大きく舐めた。
 途端、じわっと快感が這い上ってきて思わず身体を捩ってしまう。
「あ、はっ……ん、んんっんっ!! あ、ソコッ……!」
「ココもいい場所だったよな。舐めてやると悦んで啼きまくってたもんな。けど、ココじゃねえよな」
「はあっはあっ、ん、はい、違います。もっと、違うトコ……」
 薄く笑った鳴戸の口はさらに下へと行き、またしても腰のくびれに口づけたり、まるで焦らすように足の付け根に口づけ、そのまま内ももを舌でつつっと先端に向かって舐め、そして膝小僧へちゅっと音を立てて吸い付いてくる。
 もどかしくてたまらない。
「んっんっ、ちが、おやぶん、ソコちがっ……」
 腰を揺らして先を促すと、鳴戸が口角を上げてずいっと顔を近づけて来て低音で囁かれた。
「しゃぶるぞ」
 なにも言えず、こくこくと何度も頷くと、とうとう責める気になってくれたのか鳴戸の顔がへそのちょうど真上まで行き、窪みを大きく何度もベロベロと舐め始める。
 途端、ぶわっと快感がへそから湧き上がり、震えるほどの快楽が身体の支配を始める。
「あああああっ! うあっああっ、あっああっあっあっあっあっ! ああっ、あうううっ、うあっ、ソコッ、ソコぉっ!! やっ、おやぶん、やっあっ!!」
「さすが反応いいねえ。そうなんだよな、お前はへそが弱かった。覚えてるぜ、しっかりとな。ココしゃぶってやると悦んでイキまくってたもんな。そうだそうだ、ココだぜ、ココ。もっとしゃぶる」
「あっあっ、そんなっ……!」
 期待で身体が震える。
 すると鳴戸の舌がしきりに窪みを乗り越えてへそを舐め出し、じんじんとする快感が下半身をぐるぐると回り始める。
「あはぁっ……! あは、あは、あはぁぁっ……んっ、んあああああ……! だめ、だめ気持ちいっ、気持ちいっ、あっあっおやぶんソコッ、ああああだめっ、あっあっ!」
 ひどく啼いてしまうと、さらに追い打ちをかけるように窪みに尖らせた舌先が入り、抉るようにして舐めしゃぶられ、あまりの快感に危うくイってしまいそうになる。
 それほどまでに、このへそという部位は龍宝にとっての龍宝だけの性感帯なのだ。
 それを見つけ出したのは鳴戸だが。そして、存分に感じる場所として開発したのもまた、鳴戸だ。
 すっかりと性感帯として作り変えられたソコは貪欲に快感を求め、身体をくねらせて快楽を訴える。今はそれしかできそうになかった。
「ああっ、あ、はあああっ! い、や、だぁっ……! ああああ気持ちいっ、気持ちいっ、気持ちイイッ! やっやっあっあっ!! や、ああああああ!!」
 窪みに唾液が溜まり、舌で抉られるたびにちゃぷちゃぷと音がするようになる。その音も興奮に繋がり、鳴戸の髪を手で掻き毟って腰を震わせる。
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