名を呼んだらすぐに来て

　龍宝は「はぁっ……」と、興奮を抑えるように溜息のような吐息をつき覆いかぶさっている鳴戸を見上げる。
　自分からカッターシャツのボタンを外し始めると、鳴戸もそれに倣うように外し始め、改めて半裸になった状態でベッドへ沈むと、鳴戸がそれを追いかけてきて乳首にぷちゅっと吸い付いてくる。
「んっ……！　あっ……」
　思わず声を上げてしまうと、鳴戸の舌が縦横無尽に乳輪含め乳首をむしゃぶり始め、いやらしい動きで勃ってきた乳首を嬲られる。
　そのうちに緩やかな快感がやってきて、思わず息を乱してしまう。
「あっ、はあっ、はあっ……は、は、はっ……んんっ」
「気持ちイイか」
「んっ……はあっ、き、きもち、イッ……です」
「イイコだ」
　そうやって両乳首とも責められると、今度こそ快感が明白になりじんじんとした快楽が、乳首から全身にかけて這い上がってくる。
　くちゅくちゅと音を立てて吸われ、時折ぢゅっときつく吸い上げられもしつつ、乳首責めは続く。
　龍宝はその様子を瞼を伏せつつ見つめていたが徐に鳴戸の顔が上がり、唇に吸いついてきて濃厚なキスを迫られる。もちろん、龍宝は応えた。
　舌と舌とを絡ませ合い、時には咥内に溜まった相手の唾液を攫って飲み下しつつ、口づけは続く。すると、不穏に鳴戸の手が動き両手で乳首を抓み上げ揺らし始めたのだ。
　感じる快感に、口づけの合間から龍宝が啼く。
「んっんっ……んんう、ふっ……うううんんん」
　その悩まし気な声をどう思ったのか、鳴戸は龍宝の身体を抱え込むようにして腕を回し、またしても口づけてくる。
　ぢゅっちゅっと龍宝の唇を吸いながら、その手は乳首を離れ股間へと移動し、リズミカルに揉まれてしまい、思わず腰が捩れてしまう。
「んんっんんっ！　おや、ぶんっ！　アッ！！」
「下、脱がすぞ」
「んっあっ、じ、自分でっ……」
「いいから、大人しくしてな」
　言葉と共にスラックスが脱がされ、下着一枚になった龍宝の両足を無理やり上げた鳴戸は、内ももに舌を這わせ始め、下着と肌ギリギリのラインを舌で責めてくる。下から上へと舐め上げたり、吸ったりとやりたい放題だ。
　すっかりとエロティクスな雰囲気に飲まれ、龍宝自ら足を大きく開くと人差し指が下着の中に入り、勃起したペニスを指でくしゅくしゅと弄り始める。その微妙な快感に、身体がぶるりっと震える。
　そのうちに明らかに射精感がやってきているのに気づき、足がぷるぷると震え始めたところで、鳴戸が身体を伸び上がらせてきて、口づけが始まる。
　男の味のするキスは心地が良く、熱く、そして激しかった。舌を何度も柔く噛まれ、きつく吸われて唾液を持っていかれ、上顎は特に丁寧に舐められる。息を上げてしまう龍宝だ。
　ふっと唇が離れ、乳首に吸いつかれてしまい思わず腰を海老反らせてしまう。
「あああっ！　んっあっ、あああうううっ！　やっあ、き、気持ちいっ！　おや、おやぶん、ああっ！」
　思わず身体を起こし、鳴戸に抱きつくと待っていたかのように腕の中に入り口づけられる。互いの唇を吸って、吸われ、柔く噛む。何度も繰り返すと、鳴戸の手は龍宝の乳首をくりくりと捻るように刺激し始め、その快感に細かく身体を震わせてしまう。
　キスしながらのそれに、だんだんと頭の芯がぼんやりと霞みがかってゆくような感覚に襲われる。やはり、上手いと思う。セックスが上手いのだ。
　鳴戸の頭が下がり、またしても乳首に吸いついてくる。片方は口に含まれ、片方は指で愛される。そのたびに、身体がびぐびぐと跳ねてしまいつい、両手で鳴戸の頭を抱えてしまう。
「あっ……はあっ、は、は、は、はあっ！　おやぶんっ……き、気持ちイイッ……！」
　そう訴えると、そっとベッドに横たえられ残っていた下着が取り去られてしまいとうとう、全裸を鳴戸の目に晒してしまう。
　勃った股間が恥ずかしく、思わず足を閉じてしまうと強引に割り開かれじっと見つめられ思わず顔を真っ赤に染めてしまう龍宝だ。
「そ、んなに、見ないで、くださいっ……！」
「お前はいいな、キレーでよお。すっげえそそられる。男の身体なのにな、女よりも興奮しちゃってる俺ってなんだ？」
「なんだと、言われても……」
　困っていると、鳴戸がポケットの中に手を突っ込み中からなにかチューブのようなものを取り出して龍宝に見せつける。
「これで、お前の尻を解してやる。事務所に置いてあったハンドクリームだな。失敬してきた」
「やっ……！」
「お前がいやでも、解さねえと切れちまうだろ。お前にそんな真似はできねえよ。これでも大事にしてんだぜ」
　チューブの蓋を取り、中身を指に捻り出したその手が後ろに差し入れられる。
「指、いくぞ。我慢しな」
「う、う……はい、きて、ください……」
　白いクリームはまんべんなくアナルに塗りたくられ、その冷たさに背を震わせるとつぷっと一本、中指がナカへと挿れ込まれ、緩くピストンされる。異物感はあるが、痛みはまったく無い。
「あっ……は、あっ！　あ、あ、ああっ……」
　手の行き場に困っていると、片手の指と指の間に鳴戸の指が入り所謂、恋人繋ぎで片方の手は、しこりを探るように動いてくる。
「はあっはあっ、おやぶんっ、はああっ、あっあっ」
「声は随分と良さそうだが、どうだ？」
「んっ、ぜんぜん、イイです。もっと、きて、いいですよ……？」
　無意識に挑発してしまうと、胎内で指が大胆に動き始める。まるで掻き混ぜるような勢いでナカを探られ、思わず身体がビグンビグンと跳ねてしまう。