心音ジャック

 鳴戸の顔を見つめながらゆっくりと握って上下に扱き始める。すると「くっ……!」と鳴戸が息を詰めたのが分かった。快感を拾ってくれている。そのことに悦びを見出した龍宝は、手の動きを激しくしてさらにペニスに刺激を与え続ける。
 上目遣いを止めないまま、左手で根元を握り右手で捏ね回すようにしてペニスに滑らすとコプコプとカウパー液が溢れ出て龍宝の手を濡らすが、逆にそれがいい潤滑液となって扱きやすくなった肉棒を激しく上下に擦りたくる。
「んっ、いいな、気持ちイイ。龍宝お前、手ぇ上手いな」
「親分に気持ちよくなって欲しいだけですよ。イイですか? 手、そんなに」
 妖艶に笑むと、こくっと鳴戸ののどが鳴りその手は龍宝の頬へと伸び大きな手で包み込まれる。
「すっげえイイぜ。まったく、お前は手もかわいいな。イイコだ」
 その言葉に気を良くし、ますます張り切ってペニスを扱く手を速める。鳴戸のモノは既に剥けていたため、扱きやすいソレに勢いをつけて大きく手を上下に動かすとぴくぴくと鳴戸の身体が動く。
 これは、相当な気持ちよさを感じ取っている。カウパー液も量が増え、トロトロになった陰部は見た目にも卑猥で、そして興奮を呼ぶと思う。
 もちろん、誰でもいいわけではなくて鳴戸のモノだからこそ、こんなにも興奮するのだ。そこは間違えてはいけない。
 ぐちゅぐちゅと音を立てながらひたすらに扱いて、扱いて扱いて、扱きたくると鳴戸の息がだんだんと上がってくる。
 さらに亀頭を潰す勢いで指を使い責めたところで手首を取られ、払われてしまう。
「っあー! だめだ、これ以上されるとイっちまう。ありがとな、龍宝」
「え、でも……イってもらっても俺は構いませんが。イかないんですか? イかせますけど」
「いいや。お前ン中でイキたいからここは我慢しとくわ。んじゃ、さーて。さっきお前がかわいがってくれたコレを使って、二人でめちゃくちゃになるか!」
「はいっ。親分となら、本望です。……めちゃくちゃに、なりたいです。……おやぶんと」
 すると、鳴戸は欲情を入り交ぜながらそれでも優しく笑み、頭を撫でてくる。
「イイコ、イイコだよ、お前は」
 その手は頭から頬へと移動し、すりすりと熱い手で頬を擦られる。思わずその手に擦り寄ってしまうと、まるで至福といったような表情を浮かべ慈愛に満ちた目で龍宝を見つめてくる。
 龍宝も鳴戸を見つめていると自然と顔と顔が寄っていって柔らかな口づけが始まる。触れ合うだけの遊びのようなキスを何度も繰り返し、互いの気持ちを擦り合わせるようにして抱き合い、角度を変えつつちゅっちゅといったリップ音が時々耳に届く。
 なんたる幸福な時間だろうか。
 龍宝は両腕を鳴戸の首へ引っ掛け、さらに先を強請る。
「ん……おやぶん、もっと、もっとキス……キスがいい」
 そう言って口を開けるとぬるりと唾液に塗れた舌が入り込んできて大きく舌を舐められる。龍宝も舐め返すと、とうとう応酬になってまるで奪い合うような激しい口づけになり息を乱しながら互いの気持ちを高め合い、そして抱き合う。
「んっんっんっ……んむっ、ふ、ふっ……は、はっあっ」
 思わず啼いてしまうと、それすらも絡め取るように口づけてきて、舌を巻き込みながら強く咥内を吸われる。するとあっという間に口がカラカラになり、今度は龍宝が鳴戸の口を吸い唾液を攫ってゆく。ふわっと、鼻に抜ける鳴戸の甘いにおい。
 それに夢中になるよう、さらに舌を伸ばして咥内を探ると咎めるように絡め取られてしまい、柔く噛まれ、そして唇が離れてゆく。
「んはっ、はあっはっ……おやぶん……」
「そろそろ、挿れるか。もう我慢も限界だぜ。さっきっから挿れたくてたまんなくてよ」
「先走りする男はきらわれますよ。じっくりしてもらったほうが、感じます。俺は、ですけど」
「おーおー、言うねえ。そんな蕩けた表情で言われても説得力なんざありゃしねえ。よし、挿れるか。龍宝、いいな」
「ん、もちろんです。はあっ……興奮する。すごく、期待してしまってる自分が少し、怖いくらい……」
 するともう一度、唇を塞がれ額に手が当てられ宥めるように撫でられる。
「ご期待に応えるとしますかねえ。なんつったって、俺のかわいこちゃんがワクワクしてんだからな。淫乱な、かわいこちゃんがな」
「や、いやですその言い方っ……!」
「もうおしゃべりは終わりだ。いくぞ」
 急に真面目な表情に変わった鳴戸に、思わずのどを鳴らしてしまい自分から足を開くと、まるで当然のようにして足の間に入り込んでくる。
 確かにこの体勢はかなり恥ずかしいものがあるが、今は快楽を与えて欲しいという気持ちの方が先に立ち、逆手にシーツを握り挿入の衝撃に備える。
 かなりギリギリまで鳴戸が近づいてきて、自然と足が宙に上がり腰も少し持ち上がる。鳴戸くらい屈強になると、こういうことまでできてしまうのだ。
 ひたすらに感心していると、先ほどしっかり解してもらったアナルにピタリと熱い塊が押し当たる。そして、先端のぬるつきをびちびちと音を立てながら秘所に塗りたくった後、少しだけ先端がぐっとアナルへと食い込む。
「はっ! ……んんっ!! あっ!!」
 止まることなくそのまま、細かいピストンを加えながら腰が進みペニスがどんどんとアナルへと飲み込まれてゆく。いつも思うが、この時だけはどうしても慣れないと思う。苦しくて、内臓が押し上げられているような感覚さえするそれに、龍宝はのどと背を反らせ挿入に耐える。
「うっあっ、あああああ……! はあっ、ああっ、くる、しいっ……! おやぶっ、んっ!」
「我慢しろ。すぐに気持ち良くしてやる」
「はあっはあっはあっはあっ、おやぶん、鳴戸おやぶんっ」
 必死で名を呼び、硬くシーツを握りしめつつ異物感と圧迫感に耐えていると、徐にゆっくりとしたピストンが始まる。

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