02



「まなちゃんが休み‥だとっ…」

「風邪だってよ。朝電話掛かってきたんだけど声スゲェ鼻声で辛そうだった。」


いつもなら休み時間になると遊びにくるはずの愛斗君がなかなか来なくて、俺は昼休みに会いに行った。

そしたら何だ。

山口君に衝撃の事実を伝えられた。

こんな大事な日に愛斗君はまさかの欠席。

この片手に持ったクッキーはどうすればいいんだ……


「野口〜?大丈夫かー?」

「山口……」


そう言えばグッチーと呼ばれてる俺だけど、山口も実はグッチーだよな。

野口、山口。

俺らグッチー仲間じゃねぇか。


「山グッチー、このクッキーやるよ。」

「…それ愛斗にあげるヤツじゃねぇの?」

「いや、野グッチーから山グッチーへの愛だ。受け取ってくれ。」

「ナンダソレ。」


苦笑いしながらも受け取ってくれた山口。

お前は優しいよ。


「愛斗君の代わりに俺のラブが注入されたクッキーを思う存分食べてくれ。」

「…まぁ、サンキュ。」







「……惚れんなよ?」

「心配げに言うなし!」


このやり取りを一部の生徒に見られ、一部の間で盛り上がりを見せた事など俺達は知らなかった。



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