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月日は流れ2月14日。


「うぇー、だる…、」


風邪を引いた。

しかもバレンタインデーと言う、なかなか大事な行事の日に。


もし俺が通っているのが共学だったなら、これほど大事な日はない。

ま、残念な事に我が男子高には男子しかいないからさ、バレンタインデーなんて行事無関係だけど。



…ハハ、

ちょっと例外もあるけどね。

そこは言わなくても大体理解して欲しいな。


「さいあく‥、ななどくゅーぶだ…」


1日安静に、と言うことで俺は学校を休んだ。

馬鹿でも風邪は引くんだぜって話。



「池内おはよー、」

「マナト!!!昨日どうした?大丈夫だった?」

「なんか風邪引いたみたいでさ…七度九あってヤバかった‥12時間まるまる寝てたし。」

「そっか…鼻声だな、」


池内は「可哀想に‥鼻声可愛い」と言いながら頭を撫でてくる。

熱は一応引いたんだけど鼻水が一番ヤバいんだよ。

ずぴずぴしてる。


「触んなぁー、ずぴずぴの鼻水飛ばすぞー、」

「えっ、それはヤダ!!!」

「いけうちー、今の俺絶賛イライラしてるからさぁ、」

「…余計な事はしません。」


分かればいい、と呟きながら池内に体当たりしてみる。

池内は「いてぇな!」って笑いながら俺を受け止めた。



アレ?

まだ熱あんのかな、

俺のテンションがなんか……まぁいいや。


「いけうちー、なんか面白いこと言ってー?池内は芸人の卵だからやれるだろー?」

「ちょ、何突然‥!!今日のマナト君怖い!!俺芸人目指してねぇし!!」

「はい、携帯鳴ってるよー」


と池内に筆箱を渡してみる。


「もしもし池内です……ってこれ筆箱だし!!」

「アハハ、何そのノリツッコミー!!!池内の新境地が見えたなぁ!!!」

「マナトくん…きみ絶対熱あるよね…、てかインフルじゃね?ハイテンション過ぎて怖いんですけど、」


池内の弱々しい声が聞こえるけど敢えて無視。


俺…なんか楽しくなってきた!


「いけうちー、俺ら漫才コンビ組もぉー?俺ツッコミで池内がボケでー…あとコンビ名考えよっか、」

「マナト君ってば何俺の将来決めてるんですかぁ!もー‥、組まねぇし…!」


今日の俺、

やっぱり変?





「さっきから聞いてたんだが…愛斗君の鼻声が可愛い過ぎる件。」


会話に入ってきたのは相変わらず無表情でイケメンの野口だった。

また馬鹿にされてるのか?

可愛いって何ですか?


「な、そうだよな?俺も思った!テンション変だけどな!!」

「…可愛いくねぇ、」

「それだよそれ!!てーか今日口悪くね?逆にツンデレっぽくて可愛げあるけど、…ちょっといつも通りにしてみ?」


いつも通り…と言われて首を傾げる。

いつもって何?

いつもどんな口調だったっけ?


「んー…ん?…、どんなのか忘れた、」

「…まぁいいや、可愛いから許す。」

「なんだよー、」


こんな感じでグダグダな1日を過ごした。



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