01
月日は流れ2月14日。
「うぇー、だる…、」
風邪を引いた。
しかもバレンタインデーと言う、なかなか大事な行事の日に。
もし俺が通っているのが共学だったなら、これほど大事な日はない。
ま、残念な事に我が男子高には男子しかいないからさ、バレンタインデーなんて行事無関係だけど。
…ハハ、
ちょっと例外もあるけどね。
そこは言わなくても大体理解して欲しいな。
「さいあく‥、ななどくゅーぶだ…」
1日安静に、と言うことで俺は学校を休んだ。
馬鹿でも風邪は引くんだぜって話。
「池内おはよー、」
「マナト!!!昨日どうした?大丈夫だった?」
「なんか風邪引いたみたいでさ…七度九あってヤバかった‥12時間まるまる寝てたし。」
「そっか…鼻声だな、」
池内は「可哀想に‥鼻声可愛い」と言いながら頭を撫でてくる。
熱は一応引いたんだけど鼻水が一番ヤバいんだよ。
ずぴずぴしてる。
「触んなぁー、ずぴずぴの鼻水飛ばすぞー、」
「えっ、それはヤダ!!!」
「いけうちー、今の俺絶賛イライラしてるからさぁ、」
「…余計な事はしません。」
分かればいい、と呟きながら池内に体当たりしてみる。
池内は「いてぇな!」って笑いながら俺を受け止めた。
アレ?
まだ熱あんのかな、
俺のテンションがなんか……まぁいいや。
「いけうちー、なんか面白いこと言ってー?池内は芸人の卵だからやれるだろー?」
「ちょ、何突然‥!!今日のマナト君怖い!!俺芸人目指してねぇし!!」
「はい、携帯鳴ってるよー」
と池内に筆箱を渡してみる。
「もしもし池内です……ってこれ筆箱だし!!」
「アハハ、何そのノリツッコミー!!!池内の新境地が見えたなぁ!!!」
「マナトくん…きみ絶対熱あるよね…、てかインフルじゃね?ハイテンション過ぎて怖いんですけど、」
池内の弱々しい声が聞こえるけど敢えて無視。
俺…なんか楽しくなってきた!
「いけうちー、俺ら漫才コンビ組もぉー?俺ツッコミで池内がボケでー…あとコンビ名考えよっか、」
「マナト君ってば何俺の将来決めてるんですかぁ!もー‥、組まねぇし…!」
今日の俺、
やっぱり変?
「さっきから聞いてたんだが…愛斗君の鼻声が可愛い過ぎる件。」
会話に入ってきたのは相変わらず無表情でイケメンの野口だった。
また馬鹿にされてるのか?
可愛いって何ですか?
「な、そうだよな?俺も思った!テンション変だけどな!!」
「…可愛いくねぇ、」
「それだよそれ!!てーか今日口悪くね?逆にツンデレっぽくて可愛げあるけど、…ちょっといつも通りにしてみ?」
いつも通り…と言われて首を傾げる。
いつもって何?
いつもどんな口調だったっけ?
「んー…ん?…、どんなのか忘れた、」
「…まぁいいや、可愛いから許す。」
「なんだよー、」
こんな感じでグダグダな1日を過ごした。
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