02
「そう言えば池内ん家のトイレってすげぇの!愛斗君知ってた!?」
「…えっ!?いきなり何の話!?」
「ちょ、グッチー!!それ昼時に話すなし!!!」
「ウィーンって自動で便器が上がるうえに水も自動的に流れて‥しかも黄金のトイレ…」
「イヤイヤ後半嘘だし!!!実話を捏造すんな!!!」
気を取り直してワイワイと話し出した。
自分が見た事実をちょっとだけ盛ってみたら、相変わらず池内の反応が大袈裟で本当に面白い。
勿論愛斗君も池内の反応に可笑しそうに可愛く笑ってて…
「池内の家行ったんだ」
「……え?」
パッと愛斗君の方へ視線を向ければ、チーズパンを頬張ったままそう呟いていた。
笑ってなくて。
無表情で…。
「俺行ったことないんだけど。って言うか一年時から行きたいって行ってるのに拒否ってたじゃん。」
「あ……ゴメン。」
「うわぁ〜ショック。あんなに拒否られたのに…トイレが自動とか知らなかったし…。」
「え!?そこ!?」
ショック〜なんてグチグチ言いながらパンを食べる愛斗君。
…可哀想に。
俺なら誘われた時点で快く家に招き入れるのにな。
むしろ愛斗君なら大歓迎!って感じ。
「池内は俺のこと友達だって思ってなかったんだ…」
「違うし!!!本当違うからな!?マジゴメン!!!」
「うっわぁ〜池内ひでぇ〜。一年の頃から仲良しな愛斗君じゃなくて二年からの友達を家に上げるなんてぇ〜。」
ここから俺も会話に参加。
ここはもちろん愛斗君の見方で、若干嘲笑い気味に言ってやった。
俺だけの所為じゃないけど、文化祭の時にハァハァして泣かせてしまった罪悪感もあるし。
きっかけがある内に点数を稼いでおかないとな!
俺の好感度よ…アップしろ!!
「愛斗君に土下座して謝れー。」
「なんでそこまでしなきゃ駄目なんだよー!!!」
池内が前のめりになって叫んだ。
止めろ止めろ、弁当に唾が入るじゃないか。
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