15
「本当‥可愛いなぁ、」
会った早々これだから謎は深まる。
今日もまた理解出来ない事を言う野口に俺は一瞬固まった。
「…野口、聞いていい?」
間をおいて話し出す。
とうとう耐えきれなくて、日々の疑問を聞いてみる事にした。
「可愛いって何のこと?」
「もちろん愛斗君の事だけど。」
野口…
今すぐ眼科へ行け!!!
「いやいや…って言うかどこら辺が!?」
「全部。」
「え…眼科行った方がいいよ真剣に…え、…何か大丈夫?」
「視力は良い方だよ俺。」
「そういう意味じゃ…えぇ?」
真顔で受け答えする野口に俺は戸惑いを隠せなかった。
野口が分かんない。
俺、可愛くないのに。
そもそも男の俺に可愛いとかないし。
野口が心配になってきた…。
「なぁ…取り敢えず可愛いって言うのもう止めて、」
「…まさかの禁止?」
「うん。」
そう言うと野口は渋々頷く。
「これからは心の声で言う事にする。」
そこまでして言いたいのかと、野口に対する謎がより一層深まった。
to be continued..
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