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「愛斗君!!!可愛い!!」


昼休みに一組へ行けば、野口が両手をブンブン振ってそう言ってきた。

俺は手を振り替えしながら近付いて、言われた事に関しては敢えて聞かなかった事としてスルーした。






思えば文化祭を機に何かが急変した気がする。

休み明けに野口に会った時はまだ普通だった。

「愛斗君!」と何時も通りに言った次の瞬間に「可愛い‥」と空耳かと思うほどの小さな声が聞こえた程度。

それが今では会う度に挨拶の後に「可愛い」が付いてくる。



謎。

凄い謎。



そして今日、野口が何故可愛い発言をしているのか分からなくてコッソリ池内に聞いてみた。


「可愛いからじゃね?」

「…何が?」

「マナトが。」

「……はぁ?どこが?」

「…さぁ、グッチーに聞けばいいじゃん。」


聞けたらこんなに思い悩まないって。

本当、野口が分かんない。

俺のどこら辺に可愛い要素があるんだろ…。



やっぱり謎だ。



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