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「ひゃっ…!!」
目を背けたい現実に涙目になっていると誰かの手が大胆にもスカートの中へ入ってきた。
手の冷たさに変な声が出てしまって、自分の口を急いで塞ぐ。
同時にもう耐えきないと、俺の中で何かが切れる音がした。
「いっ…!!」
取り敢えず野口の足を思いの限り踏む。
その衝撃で野口の腕が緩み、俺は急いで男の群から脱出した。
「き、きもかったぁ…」
今は一旦池内を盾にするとして後ろへ避難、俺はホッと息を吐いた。
仕返しは後で考えればいいと考えながら池内の制服をギュッと握り締め、さっきの奴らを思い切り睨み付ける。
「ちょっ…、谷本君可愛すぎなんですけど…!警戒心の強い小動物って感じ?」
「…もぅ着替えていいですか。」
長谷の言う事は無視。
じゃないとやってられない。
今すぐ着替えて教室中から突き刺さる視線から解放されたかった。
早く着替えようとメイド服のリボンをスルッと解く。
次に胸元のボタンに手をかけた。
その時、
「生着替え…ゴクリ、」
「キモいこと言うな!」
今更だけど何だこの静けさ。
長谷が変な事を言ったせいで、教室に変な空気が流れ出した。
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