活動停止
なに、あんたは消えるの。
そう言ったキミにボクは頷きを返す。なんで、なんてそんなことを聞かれてもボクには答えようがない、答えられる答えなんて用意されてないもの。
記憶はデータとして残るよ。
別に大した意味なんてない、ただ何となく言い訳じみたその言葉はボク自身なんだかしっくりこなくて首を傾げる羽目になる。データ、はただのデータ。ディスクにまとめられて、それで保管される。ただ、それだけ。
他の連中は、知ってるんだろうな。
むす、と実に人間らしい表情を浮かべる…わけでもなく、ただ純粋に疑問として投げ掛けられたこそボクは素直に首を横に振れた。質問に対して拒否をするつもりなんて毛頭ないし、それにそんな行動パターンは組み込まれていないから。だからこそ何で、そんな風に…――もし、人間らしい感情を向けられていたら、なんて考えるのかが理解不能だよ、エラーかな。
ばいばい、美風さん。
活動停止
(主電源が落ちる間際、そう聞こえた気がした)
‐End‐
20120822.