酒精に溺れた彼の末路について
アルコールに濡れた思考のなか伸ばした先にある金糸に指を絡ませるとそれに気付いた静雄は此方の動きを咎めることなく受け入れてくれる。そんな姿に募る愛おしさはアルコール抜きにしたとしても顔が赤くなる程度のもので。おそらく自分の顔はいま赤いだろうけれど、それを酒のせいに出来るのならば今夜はそれに甘えてしまおうとすら思う。
「しーずお」
「……なんだよ佳」
「呼んだだけ」
「……ふ、なんだそれ」
甘い声音での笑い声を肴にちび、と啜った酒がとんでもなく甘い気がしたのはきっと目の前にいる静雄のおかげだろう。
20211031
(Title by Garnet)
(Title by Garnet)