It falls in love.
「ばに、」
「黙って、おじさん。」
口付けるが、彼は思ったより抵抗しなかった。彼も酔っているのか、すがり付くように腕が首に回され、自ら角度を変えるように唇をずらした。何度も角度を変え、浅く深く口付ける。
「…おじさん、抵抗しないんですか。」
「…俺もお前も酔ってる。それでいいだろう。」
僕はもう一度噛み付くような激しいキスをした。
ぱちりと目が覚めると、ベッドにはいつも通り一人だった。ああ何だ夢だったのか。何て欲求不満な夢なんだろうと立ち上がる。やけにリアルな夢だった。汗ばむ肌が擦れ合う感触も、綺麗に切り揃えられた爪が背中を引っ掻く痛みも、可愛らしい嬌声も、かさついた唇の感触も、全部がリアルで今思い出しても下半身に熱が集まってしまう。
頭を振り、リビングへと向かうと机の上には見慣れない紙が置いてあった。電子媒体が多い今では紙ですら久方ぶりに見る気がする。不審に思い、紙を取り上げる。
走り書きのメモを見て、僕は慌てて服を着て家を飛び出した。
向かうは年上の想い人の家。
『自惚れてもいいのか?』
Fin...
It falls in love!