※とにかく阿呆な話です。作中の砕けまくった文章や抜き言葉は仕様です。汚い口調が飛び交って居ますので、苦手な方は閲覧を控えて頂くようお願いいたします。 あたしは教室の扉を勢いよく開いた。そのままの勢いで教室に飛び込む。 「うおおおおおん! ゆうちゃあああん!」 泣いているあたしに大変イケメンな幼なじみが優しく、 「うっせぇ、ド阿呆が!」 「ひど!!」 心傷つき傷心のあたしに、あれ、意味が重複した。とにかく言い表せない程傷つき、泣いている女の子に対して言うことじゃあない。フツー、どうしたの? とか、僕の胸でお泣きよとか言うべきではないの? ゆうちゃんのバカ! アホはそっちでしょう! 大体昔は、「おぐふぁ!?」 「全部聞こえてんだよ馬鹿が」 突如襲った足の痛みに顔を向けると、己の右足を下ろすゆうちゃんが目に入った。 な、なんて男だ、女の子を蹴りやがった! いくら幼なじみとは言え容赦なさ過ぎやしまいか。大体あたしフラれて傷心なのに。何度だって言う、傷ついてますよ。ずたぼろですよ。あたしがマンボウなら今頃召されてますよ、多分。 「振られたくらいで五月蝿いんだよ」 「あれっ、心の声がもれた!?」 慌てて口を押さえると、ゆうちゃんはわざとらしいくらいのため息をつく。「毎度毎度の事だろうが」と呟く声が耳に入って、はっと息を飲む。ま……まさか……! 「ゆうちゃんゆうちゃん、もしかして普段幼なじみに憎まれ口を叩いているけど実は愛情の裏返しで『なんで俺を見ねーんだよ、馬鹿』的なセリフを吐いてハッピーエンドなパターンですか!?」 「少女漫画の読みすぎだ、この脳みそオガクズ女。三階から落とすぞ」 マズイ、本気で怒らせてしまった。ゆうちゃんなら本気でやりかねないので、あたしは黙って着席。不良顔負けだよ、ゆうちゃん。そう言えばこの前本物の不良が避けてましたよね。あれ今年一番笑った光景だよ、ゆうちゃん。 「捨てる神あれば、っつうし、諦めんなよ」 あたしが顔面蒼白で縮こまっているのを見て、流石に言い過ぎたと思ったのだろう。フォロー入れつつあたしの頭をぽふぽふと叩く。しかもレアな微笑つき! くそう、このイケメンめ! 屈しはしまい、屈しは……! 「ゆうちゃああん、あたしと幼なじみエンディング迎えよー!」 「帰れ!」 end <前 次> 戻 |