「リナリーおはよ!はいこれ!ハッピーバレンタイン!」
「ありがとう!じゃあお返しに、はい」
「うわーおいしそー!リナリーありがと大すきー!」
「どういたしまして!」
「お、うまそうだな」
「あ、フォーおはよ!フォーの分もちゃんとあるんだよ〜」
「まじか!サンキューなまえ!」
「いえいえ(フォーは本当かわいいなあかわいいかわいい)」
「(…なまえが今なに考えてるのかなんとなくわかるわ…)」



「アレンージョニー」
「あ、なまえ!おはよう!」
「はふ?は、ふぉふぁふぉーふぉふぁひふぁふ!(もぐもぐ)」
「うわっこいつもう食べてやがる…そのマフィン、リナリーにもらったやつでしょ」
「うん。学校来てすぐに持って来てくれたんだ」
「(もぐもぐ…ごっくん)なまえも何かくれるんですかっていうか寄越せ」
「ちょっと猫剥がれ落ちてんぞ腹黒…あいたたたたたごめんごめんごめんなさいあげるあげるちゃんとアレンの分あるから足の小指踏まないで痛い!!!」
「初めからそう言えばいいんですよ」
「この鬼畜やろ…ごめんなさい何でもないですはいこれどうぞ差し上げます」
「ありがとうございます」
「はい、ジョニーもどーぞ」
「ありがとう!」
「ところでこれ食べれるんですか?」
「泣いていい?」
「冗談ですいただきます」



「ラビラビラビラビラビラビラビラビラビラ」
「呼びすぎ!しかもラで止めるとビラビラって聞こえるからやめて!」
「ユウ先輩は?」
「しかもスルーとか…俺も一応先輩なのに…おまえアレンの鬼畜移ったんじゃね…?」
「せ ん ぱ い は?」
「……ユウならさっきまで寝て…あれ、いねーな。何か用さ?」
「えっ」
「えっ」
「ラビ今日何日か知ってる?」
「2月14日」
「何の日?」
「バレンタイン。えっ」
「えっ」
「なまえってユウのことすきだったんか?」
「すきか嫌いかと聞かれれば大すきだけどラビが考えてんのとはベクトルが違う大すきです。ってかあんたの分もあるし」
「えっ?くれんの?」
「いらないの?」
「食って体に害がないならいたたたたたたたたたごめんさごめんありがたくいただくから足の小指踏まないで!!!!」
「……何してんだおまえら」
「あ、ユウ先輩。はいこれ」
「あ?」
「そば粉クッキー甘さ控えめです。それなら食べれますよね?」
「ああ、サンキュ」
「これだよこれ!いちいち食べれるのかとか聞かないこの優しさ!ラビも見習え!」
「へーへー」
「食っていいのか?」
「あ、どーぞ」
「(ぱくっ)…うまい」
「よかったー!初めて作ったんでちょっと不安だったんです」
「ちょっとちょっとなまえさん、俺とユウの扱いずいぶん違くね?おかしくね?」
「今さら何言ってんの?」
「………」
「あ、ユウ先輩、あとこれ」
「ん?」
「それ何さ?」
「これはアルマくんに。ユウ先輩、渡しといてもらえますか?ちょっと今日は他校まで行く時間なくて」
「ああ、わかった」
「お願いしまーす。それじゃ!」
「えっ」
「えっ」
「俺には?」
「え、いるの?」
「いるさ!」
「なにこいつすごいめんどくさいんだけど…はいよ」
「…どうも…(ぱかっ)お、生チョコじゃん!俺すきなんさー」
「知ってる」
「え?」
「あ」
「?(もぐもぐ)」
「今なんて、」
「あああああそれじゃそろそろ昼休み終わっちゃうんで!じゃ!さよなら!(ダッ)」
「ああ」
「なまえーありがとさー!」
「うるさい帰りに凍った道で不様に転ぶがいいわアホ毛ウサギ!!」
「えぇー…」




「(ガラガラガラ)失礼しまーす…」

「…あり、誰もいない?」
「何してるんですか」
「ひぃっ!!」
「は?!」
「リ、リリリリンク先ぱっ…後ろからいきなり声かけないでください!びっくりしたじゃないですか!」
「はあ…驚かせてすみませんでした」
「…あ、いえ…あたしも図書室でおっきな声出してすみませんでした…」
「いえ、別に。今は私とキミ以外いませんし」
「えっ」
「えっ?」
「ミ、ミランダ先生は…?」
「職員会議だそうです」
「ああ、なるほど…」
「彼女に何か用でも?」
「あ、そうじゃないんです」
「ならどうしたんです?」
「………」
「…なまえ?」
「……えっと…あの…」
「?」
「…こ、これ、よかったら食べてください!(ばっ)」
「ああ、ありがとうございます(ぱかっ)」
「(ひぃっ)ストップ!!」
「?!」
「い、いいい今開けないで!帰って!帰ってから開けてください!」
「な…なんで」
「なんでも!」
「……(ひょいっ)」
「あああああ!!!!」
「…別に普通のトリュフじゃないですか。何をそんなに…ん?」
「(ひぃぃぃ)じゃっ、あっ、あたしは帰りまっ(がしっ)ひっ!」
「待ちなさい」
「ななななななんっ」
「どうぞ」
「です…か…?」
「前に話したでしょう?ドイツのバレンタインは、男性が女性に花束を贈るのが一般的なんです」
「え、はい、覚えてます…覚えてます、けど、それって確か…」
「ええ、ドイツでは花束を贈る相手は恋人のみです。でもここは日本ですし、花束なんてもらっても邪魔でしょうから」
「…?…あの、開けてもいいですか?」
「どうぞ」
「(ぱかっ)…うわ、すご!お花のチョコだ!きれー!」
「気に入りました?」
「はい!すごく嬉しいです!」
「それはよかった。それと、」
「はい?」
「…私も、キミと同じ気持ちですよ」
「!」




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