予期せぬ言葉 

「どうしてお前がここに!?」
「別に不思議じゃないだろ?僕は戦闘が好きでここは格闘の中心地だ♣」

(これが本物のヒソカ!実際に見てみるとなんだか異様な雰囲気……。)

そんなことを考えるルリの方に、ヒソカが一瞬目をやる。

「おや?見かけない女の子が一緒みたいだけど、君達こそ何でこんなトコにいるんだい?」

自分のことなどきっと眼中にないだろうと思っていたルリは肩をビクつかせた。
その様子にゴンとキルアはルリを背後に庇う形で立つ。

(ああ、ほんとになんていい子達!!私の方が歳上なのに情けない……。)
今度は違った意味で驚き、同時にひどく胸を打たれた。

「なんてね♥もちろん偶然なんかじゃなく君達を待ってた♦」

それから、どうやって居場所を突き止めたのかを語りだすヒソカを観察していたルリだったが、表情からは何も読み取ることはできなかった。

「ここの先輩として君達に忠告しよう♥
このフロアに足を踏み入れるのは、まだ早い♠」

ヒソカが手をかざすと、何かの力で一気に後方へと押し戻されてしまった三人。

「どのくらい早いかは君達次第♦」

そう言って通路を塞ぐようにその真ん中に腰を下ろしたヒソカ。

「出直したまえ♣とにかく今は早い♦」
「ざけんな!せっかくここまで来たのに……」

スッと、再び手をかざす。

「……!!」

「通さないよ♠ってか通れないだろ?」

先程よりも更に強い力が二人を襲う。
既に念が使えるルリは平気だがゴンとキルアは苦しそうだ。


「無理はやめなさい」

後ろから声が聞こえ振り返ってみると、そこにはウイングの姿があった。

「彼の念に対し、君達はあまりに無防備だ。
極寒の地で全裸で凍えながら、なぜつらいのかわかっていないようなもの。
これ以上心身に負担をかけると死にかねないよ」

ウイングのその言葉に、キルアが食ってかかる。

「これが燃だと!?あいつが『通さない』って思うだけでこうなるってのか!?ウソつけ!!」

「はい。あれはウソです」

燃がウソだったことをあっさり認めたウイングに、やっぱりなといった表情のキルア。

「本当の念について教えます。だからひとまずここから退散しましょう」

ゴンとキルアの二人は、念を覚えてから0時までにここへ戻って来なくてはならない。
そして現在の時刻は8:20。

(私は念を使えるから教えてもらうのは今じゃなくてもいいけど、ここに残ったらヒソカと二人っきりになるし…………。)

そうこうしているうちに三人はこの場を去ろうとしていた。

慌てて着いて行こうとするルリ、しかしそれを思いもしない人物が引き留めた。


「君はここに残りなよ♦」



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