余韻
Kiseki≫ Ab Ma 24 me Li



「どうだった?」
「そうですね…すごく見てて楽しかったです!」
「…こんな興奮状態のテツって意外。」

興奮状態の彼に思わず笑みがこぼれた。

「…そうですか?」
「うん、でもいいと思うよ!」


彼のこの表情を見てると私も自然な笑みになる。
私の言葉に彼は少しだけ目を見開いたようだった。


「私もね、ここのバスケは楽しそうだなって思った。
…でも選手としてはやってても面白くなさそうだなって…」

小学校の頃にやっていたバスケはただ『裏切り』が待ってるだけのスポーツ。
だから私はもう、選手としてはやりたくない。

「…そうですか…」

私の言葉が突っかかったのか、表情が無表情に戻った。

「テツは?選手だよね?」
「えぇ…」

今の一言が気に入らないのか、少し暗い。

「…ふふふっじゃあマネージャーになろうかな♪」
「え…?」
「私が好きでやりたいなーって思ったの!」

彼の驚いた表情の後にそう告げれば嬉しそうな表情を見せた。

「明日部活の入部届け貰いに行きましょうか!」
「そうですね。」

十分に部活見学をし、体育館を後にした。


ぐぅぅう…


「そういえばご飯食べてないね〜」
「そうですね…」

同時に二人のお腹の音がした。


「あ、ねぇ!テツはこれから暇?」
「ええ。」


じゃあ!!

「もしよかったら一緒に食べない?」
「…え?」


帰り道が同じということで一緒に歩いていたとき、私からした提案。


「どうする?」
「じゃあ…いいですか?」
「うん!1人で食べるより断然楽しいしね!」


「…1人?」

本人は声に出したつもりはないらしいけど…やっぱり気になるよね。


「じゃあうちに行こう!」
「ですね。」


このことは後で話すことにして取り敢えず家へと足を向けた。





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