部活動見学
「どうだった?」
「そうですね…すごく見てて楽しかったです!」
「…こんな興奮状態のテツって意外。」
「…そうですか?」
「うん、でもいいと思うよ!」
え、と彼女の方に顔を向けたらとても優しい笑みで僕を見ていた。
「私もね、ここのバスケは楽しそうだなって思った。
…でも選手としてはやってても面白くなさそうだなって…」
「…そうですか…」
彼女のその言葉に僕は多分、寂しそうな顔をしていたんだと思う。
「テツは?選手だよね?」
「えぇ…」
「…ふふふっじゃあマネージャーになろうかな♪」
「え…?」
彼女に気を遣わせてしまったのだろうか?
そう心配していると僕が悩んだ表情をしていたのが見えてしまったのか、
彼女は「私が好きでやりたいなーって思ったの!」と先に言われてしまった。
「明日部活の入部届け貰いに行きましょうか!」
「そうですね。」
十分に部活見学をした僕らは体育館を後にした。
「そういえばご飯食べてないね〜」
「そうですね…」
「あ、ねぇ!テツはこれから暇?」
「ええ。」
「もしよかったら一緒に食べない?」
「…え?」
帰り道が同じということで一緒に歩いていると彼女からのまさかの提案。
確かに午前中学校が終わってそのまま見学に行ったのでお腹は空いている。
「どうする?」
「じゃあ…いいですか?」
「うん!1人で食べるより断然楽しいしね!」
…1人?
彼女のその言葉に引っ掛かりを覚えたが、この時はスルーした。
「じゃあうちに行こう!」
「ですね。」
目的地が一か所になり、僕たちはそこへと歩みを進めた。
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