私の知らない
寝起きの私たちはその後二人でクスクスと笑い合っていた。
『おはようございます』
「二人ともおはよう」
テツヤのお母さんは無意識に重なった私たちの挨拶を聞いて微笑んでいた。
「…昨日はすみません。」
「いいのよ。だって美影ちゃんはもうこのうちの子ですもの!」
彼女のその言葉に私は心が満たされる何かを感じた。
「…ありがとうございます。」
私の精一杯の気持ちを込めて笑顔でお礼を言った。
テツヤのお母さんもそれをみて微笑んでくれた。
「行ってきます。」
「…行ってきます。」
少し早めに家を出て、ひとまず私の家へと寄った。
もちろん今日の授業で使う荷物を取りに行くためだ。
「あー…体育やだなぁ…」
「でも美影、運動神経いいじゃないですか。」
「運動神経よくても、楽しみがない。」
「…。」
「でも…」
「?」
「テツヤと一緒なら楽しそう///」
少し恥ずかしいことを言ってる自覚はある。
だけどこれが今の垂直な思いだ。
「!!///…そうですか。でも、頼られているようでうれしいです。」
「!…そっか。」
私の言ったことは迷惑じゃなかったようで安心した。
そして家を出て、学校へと足を向けた。
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