XXX
あれからそのまま寝てしまったらしく、気が付けば朝になっていた。
人の温もりのような温かさを傍で感じ、意識がはっきりした中で私は驚いた。
(て、テツ…っ!////)
彼の寝顔がドアップで叫び声を必死に押さえた。
(…でも、こうしてみると……)
「……格好いい、な…」
思わず言葉に出してしまい、慌てて口を噤んだ。
そして無意識に彼の頬に手を伸ばした。
ふれた感触で起こしてしまったのか彼は「ん…」と唸って目を開けた。
「おはよう、テツ…」
「………おはようございます、美影///」
「ごめんね、起こしちゃった?」
「いいえ、大丈夫ですよ。」
返事にはならない答えが返ってきた。
それでも私は誰か傍にいる心地よさで笑った。
「どうしました?突然笑って…」
「温かいなぁって…嬉しくって。」
彼の質問に頬に添えていた手を離し、ベッドから上半身だけ起き上がった。
彼もそれにつられて起き上がった。
「小さい頃から誰か傍で寝てくれる人なんて居なかったから…嬉しいの///」
そう言って下に下がっていた視線を彼に向ける。
向けたと同時に頬と唇に温かいものを直接感じた。
「んっ……………………はぁ…」
それが彼の唇と手だということに気付いたときは既に彼は離れていた。
「………可愛い過ぎます/////」
彼は手で顔を隠して私から目をそらした。
「…え、////」
「余りの可愛いさにキスをしてしまいました。」
"キス"と改めて彼の口から言われると意識してしまい、顔が火照り始める。
「すいません…」
「…い、やじゃ…なかったから……別にいい///」
PREV | NEXT