〈 沖田総司の場合〉
幕末:恋仲設定


「新年明けたけど、僕達には休みなんてないから周りの浮かれ様が羨ましいよ。」

子の刻となり、新しい年を迎えた。
毎年のようにこの時間まで起きて、2人ではなしをしている。

「1番組は新年早々巡察に当たってるものね…」

沖田の発言を受けて、美影が明日…否、今日の日程を思い出し苦笑いを浮かべた。

「試衛館で過ごしていた頃が良かった訳じゃないけど、今よりも正月らしいことしてたと思わない?」
「それはそうよ。今みたいな責任感の強い柵(しがらみ)はなかったんだから。」

今のように当時は資金があったわけでもなく、火の車どころじゃなかった試衛館は、お正月と言っても皆で過ごして騒いでいた。

「江戸で過ごしてた頃は皆で騒いでいたけど、その後2人で正月を満喫してたよね。」
「元旦だけ皆で過ごして、2日と3日はお店を回ったりしてたね。」
「…こうして思い出しているとさ、凄く懐かしくなるんだ。
……今こうして皆で゙新選組゙として駆け抜けているのが夢じゃないかって思ってしまうくらいにね。」

彼のその言葉を受けて、彼女は微笑んだ。

「ふふふっ…皆きっとそうよ。」




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〈 赤司征十郎の場合〉
俺司Ver.:高校生 恋人設定



「征ちゃん、あけましておめでとう。」
『 あけましておめでとう、美影。』

ウィンターカップを終え、あっという間に年明けを迎えた。
お互いに実家が東京とは言えど、新年の挨拶回りで忙しいだろうと会うことを控えていた。
勿論それはお互い同意の上での判断だ。

「今年もよろしくね。」
『 こちらこそ、だ。』

クスクスと電話越しで笑い合う私たちは確かに幸せで。
でも、会いたいなと思うのも本当で。
確かにあの時は納得していたのに…と思いながら美影は赤司との会話を続けた。

「征ちゃん…」
『 なんだい?』
「約束をした時は全然平気だったのにだんだんと征ちゃんが恋しく感じちゃう。」

「会いたいな、って思っちゃうの。」と照れながら、そしてぎ心地なくそう答えれば赤司は『 もし、俺がお前の家の前にいると言ったら?』

私の部屋からは見えない。
そのためドタバタと夜中にも関わらず私を慌てさせた。

「『 やぁ。』」

ケータイから聞こえる声も目の前に居る男の声と重なった。

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