07



―「あなた、だぁれ?」





嘘だと思った。

君が僕を忘れているなんて。

だって…俺らは今まで一緒にいて…

愛し合ってたじゃん…っ!!!!




どうして

どうして

どうして

どうして



どうして…っ!!!!!!!!






それから主治医や心療内科の先生が来たりして彼女の検査をしていた。



携帯を握っていた俺はトキヤたちに連絡をしたらしく、トキヤとレンが駆けつけた。

後のみんなは仕事が終わり次第向かうとのこと。

動揺してしてた中電話できた自分に何とも言えない気持ちになった。




「音也っ!!!」


珍しいくらい動揺を隠せていないトキヤに驚いたけど、それだけ美桜花のことを心配しているということ。


「レディが目を覚ましたって本当かいっ!!!」


それを追うようにレンも入ってきた。

二人とも汗だくだった。




「…二人とも。」

「…どうかしたのかい?イッキ?」






「…あの…」

「?如何しましたか?美桜花。」


トキヤが彼女に反応して返事をした。


「…あなたたち、誰?」


「「え?」」

「あなたも"一十木君"のお友達?」


美桜花が俺をみてそういうから痛んだ心を見ないふりして彼女の問いに答えた。

「(ズキッ)…そうだよ。
こっちの紺色の髪が一ノ瀬トキヤでオレンジ色の髪が神宮寺レンだよ。美桜花。」






「…そうですか。

初めまして。桜空美桜花です。


宜しくお願いします。


"一ノ瀬さん""神宮寺さん"」





二人は信じられないものを目にしたかのように目を見開いていた。



「…宜しくお願いします。」


先にハッとしたトキヤが彼女の言葉に返した。


「…宜しく頼むよ、レディ。」


それによって意識が戻ったレンも後に続いた。








二人とも、今は顔に出していないけど、きっと傷ついているんだ。

傷ついているのは俺だけじゃないんだ。




「美桜花、俺ら飲み物買ってくるね。」

「…うん。」


俺の言葉に返事をした彼女を見て俺たちは一度病室を出た。





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