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32.eternal shine
〜N side〜
海が見える教会の中で、永遠の愛を誓う。互いの薬指にはめた波の形をしたプラチナのリングと、神が見守る前で交わしたキスが、永遠の証だ。現実から切り離された空間の中、まるで夢の中にいるようなひとときだった。
シルバーグレーのタキシードを着たデンジは、柄にもなく少し緊張しているようだった。しかし、レインをエスコートする指先に躊躇いはない。きっと、これからもそうやってレインを導いていくのだろう。
そして、一点の曇りもない真っ白なドレスを着ているレインは、終始泣いたり笑ったり忙しそうだった。しかし、デンジがスピーチで言葉に詰まったときに、横からこっそり次の言葉を教えていたのをボクは知っている。これからも、そうやってかげながらデンジを支えていくのだろう。
この日の二人は、まるで世界中からの祝福を受けているように幸せそうだった。
そんな二人を見ていると、思うんだ。どうしてかな。ボクを救ってくれた存在は二人いるけれど、なぜか今はキミの顔が思い浮かぶよ。
「トウコ」
キミに、会いたい。
20130403