おまけ




――翌日――

「……」
「……あんまりじろじろ見るなよ、恥ずかしいから」
「だって、デンジ君が私のことを考えながら選んでくれた指輪でしょう? すごく嬉しくて……大切にするね」
「……ああ」
「ダイヤモンドと……この青い宝石はなに?」
「アクアマリン、だったかな。誕生石とかいうわけでもないけど、レインみたいだなって思ってさ」
「……ありがとう。あ、孤児院の前に着いたわ。ここで大丈夫。荷物、持ってくれてありがとう」
「ああ。…………」
「どうしたの?」
「いや、の両親に挨拶を済ませるべきかどうか、と思ってさ。早く一緒に暮らしたいし」
「デンジ君……」
「いや、やっぱりまた日を改める。レインの両親も、いきなり結婚の挨拶に来られたら困る……」
「あー! デンジとレインちゃんが帰ってきてる!」
「チマリ」
「おかえりおかえりおかえりー!!!」
「ただいま。あら、チマリちゃん。少し背伸びた?」
「うん! あ! イッシュ地方のかわいいでんきポケモン、ゲットしてきてくれた?」
「(忘れてた)。あー……チマリ」
「エモーッ!」
「うわ!? エモンガ!」
「この子、エモンガっていうの? かわいい! ピカチュウみたい! デンジありがとう!」
「いいの? デンジ君」
「ああ。エモンガも自分からチマリのところに行ったしな」
「エモモッ!」
(レインといいチマリといい、このエモンガは女好きか……メスなのに)
「……! あー!」
「どうした?」
「なに? チマリちゃん」
「レインちゃんがお嫁さんの指に指輪つけてる!」
「!」
「ふふっ。あのね、デンジ君からもらったの」
「ほんと!? デンジとレインちゃん、結婚するの!?」
「チマリ、声がでかい……」
「わー! わー! おかあさーん! デンジとレインちゃんがねー!」
「あ、待てチマリ……あああああ……」
「……行っちゃったわね」
「くそっ。よし、もう腹を括る。行くぞレイン」
「ふふっ。はい」



triple trip END 2012.09.08
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