侑「じゃあ、まずは小狼君に届いた質問から行くわよー」
小「はい」
四「って、みんなの前で答えるんすか!?」
侑「そうよ」
百「完璧なプライバシーの侵害ですね」
侑「あら。みんなに自分を知ってもらうからこそ、絆が深まるんじゃないの」
レ「妙に説得力があるのは侑子先生だからかな?」
ひ「でしょうね」
侑「じゃあ、小狼君への手紙、読み上げるわよ」
小「は、はい」
侑「『さくらちゃんから告白された時、どう思いましたか?』」
小「え!?」
さ「え!?」
フ「なるほどー。質問の内容によっては他の人にまで被害が及ぶんですねー」
レ「……なんか今からすっごくイヤな予感がしてきた……」
侑「さぁ、小狼君。答えなさい」
小「え、えっと……おれの勘違いのせいでみんなに迷惑をかけてしまって、本当に申し訳なかったです。さくらにも色々誤解させちゃって……」
さ「ううん。いいの」
黒「あれは主にこいつらが悪い」
侑「まぁ、理事長をこいつ呼ばわり?」
フ「別にオレ、騙した訳じゃないもーん」
ソ「それでそれで?」
ラ「続きは?」
小「えっと……告白された事じたいは、すごく嬉しかったです。おれも同じ気持ちだったから」
さ「小狼君……」
小「もっとも、さくらから言われるまで自分の気持ちに気づいてなかったんですけど……」
龍「それは小狼らしいな」
侑「いいわねー、青春で。で、次の質問もそれに関連してるんだけど」
小「え?」
侑「『さくらちゃんとはどこまで進んでるんですか?』」
黒「ぶっ!」
四「ぶっ!」
ソ「きゃー」
ラ「わぁー」
フ「そこんとこ、オレも聞きたーい」
レ「個人的に、二人にはほんと清らかなお付き合いをしてて欲しいんだけど」
侑「ふふふー。で、どうなの?」
小「あ、あの。質問の意味がよく分からなくて」
龍「なんというか、さすが小狼だな」
侑「じゃあ、聞くわね。さくらちゃんと手は握った?」
小「え!?そ、そりゃあ、まぁ……一緒に帰っていますし」
レ「じゃあ、ハグは?」
小「ハグ?」
レ「抱きしめたりはした?って事」
さ「!?」
小「え、えっと。あの、その、えっと……はい」
ソ「じゃあキスは?」
小「!?」
さ「!?」
ひ「二人とも顔真っ赤」
小「ええええっと!いや!あの!その!」
ラ「あやしーい」
百「しました、って言ったような反応だな」
フ「なるほどねー。じゃあ、オレから最後の質問ー。セッ……」
レ「きゃー!」
黒「てめぇ、何んなとこまで聞こうとしてんだ!教師だろうが!」
フ「いたーい。黒りん先生に殴られたぁ」
ユ「今のはファイが悪いよ」
フ「むー」
レ「小狼君、さくらちゃん。きっと二人はまだだって、私信じてるから」
小「?」
さ「?」
レ「小狼君、ファイ先生みたいになっちゃダメだからね」
小「は、はぁ……」
フ「えー。それどういう意味ー?」
レ「ところ構わずキスするような人にはなるなって言ったのよ(小声)」
フ「恋人をそんな獣みたいに言ってー」
レ「事実でしょ!」
侑「まあ。質問の答えは、キスまで、ってところかしらねー」
四「そういう事で良いっすよ。なんか、聞いてるこっちが恥ずかしいし」
侑「あら。四月一日ったら、ウブねー。じゃあ、残りはさくさくと行くわよ」
小「はい」
侑「『サッカー部に入ったきっかけは何ですか?』」
小「おれ、自分で言うのも何なんですけど、足腰が結構強いんです。武術も足技が得意ですし。だから、足を生かせるスポーツは何かなって考えたら、それがサッカーだったので」
侑「『頭が良さそうなイメージがあるんですけど、苦手な科目とかはありますか?』」
小「成績は割と普通と思いますけど……」
四「いやいや、いつも上位組に入ってるだろ」
小「ま、まあ……えっと。苦手科目は勿論ありますよ。どちらかというと、おれ文系なんで、理系の科目が苦手です。特に、その……化学とか」
フ「えー?小狼君、結構優秀だけどなぁ」
小「テストの前日とか、理系の兄さんによくお世話になってるんで」
龍「逆に、おれが歴史を教えてもらう事もあるからな」
ひ「二人で苦手を教えあってるんだね」
侑「はい、次ねー。『色んな国を旅してて、何カ国語くらい話せるようになりましたか?』」
小「基本的な挨拶なんかは割と色々話せますけど、普通に話せるのは母国の中国語と今住んでる日本語と、あとは英語くらいです」
レ「へえ。すごいね!」
侑「『将来の夢は何ですか?』」
小「父さんみたいに、立派な考古学者になりたいです。それか、歴史の教師とか」
侑「『どの先生の授業が面白いですか?』」
小「侑子先生の、古典の授業が好きです。古い時代の話をわかりやすく教えていただけるので」
侑「うふふ。小狼君、いい子ねー。じゃあ、『怒らせると怖い先生は誰ですか?』」
小「え、いや……先生達滅多に怒らないし、普段から優しいし」
レ「小狼君、正直に言って良いよ」
小「……黒鋼先生、です」
黒「ああ?小狼には怒鳴ったつもりはねぇんだが……」
小「いえ。この前体育をさぼってた子が、グラウンド20周させられたって言ってたから」
黒「それは仕方ねぇな。サボるやつが悪い」
レ「黒鋼先生は理由もなく怒ったりしないから大丈夫よ」
小「はい」
フ「えー。オレいっつも怒鳴られるし殴られるしー」
黒「それはてめぇに原因があるんだろうが!!」
侑「はいはい、黒鋼先生落ち着いて。じゃあ、小狼君。手紙をくれたみんなに一言!」
小「はい。たくさんの質問、有り難うございました」
──小龍編──
侑「じゃあ、二人目。小龍君、行っくわよー!」
龍「はい」
侑「『天然の弟を持って苦労する事はありますか?』」
龍「ありますよ」
小「え?」
龍「何年か前だったかな。女の子がおれに相談してきたんだ。小狼に告白したけどフられた、って」
フ「ひゅー。小狼君、女泣かせー」
四「やっぱ、小狼モテるんだなぁ。いいなぁ……」
ひ「でも、それでなんで小龍君が困るの?」
龍「その子が言うには、小狼に好きって言った答えが「おれも好きだよ」って事だったみたいで」
さ「え!?」
レ「ん?なんかおかしくない?」
龍「小狼の返事を聞いて女の子も期待したらしいんだけど、小狼は何日経っても友達の頃と態度が変わらなかったらしい」
百「それは……」
龍「そう。小狼は女の子が言った好きを、友達としての好きと勘違いしたらしい」
ラ「なるほどなー」
ソ「だから、答えがおれもって……」
龍「そういう事だ。女の子は泣いて泣いて、宥めるの大変だったんだぞ」
小「そんな!おれ、告白なんてさくらが初めてだし!」
龍「……な?」
ユ「これは苦労するねぇ」
フ「さくらちゃんも大変だねー」
さ「……はい」
侑「天然も度を超したら罪、って事ねー。じゃあ次よ。『バスケットボール部は楽しいですか?』」
龍「ええ。おれ、背はずば抜けて高い訳じゃないんですけど、だから相手の隙間を縫ってボールを運ぶのが結構得意なんです」
黒「俺も見た事があるぞ。無駄な動きがなくて完璧だったな」
龍「体育の先生に褒められるなんて、光栄です」
小「おれもシュートとかたまに教わってるし、兄さん本当にバスケット上手なんです」
龍「レギュラーにもなれたし、試合で活躍出来るように頑張ります」
侑「はい、次ねー。『好きな子はいますか?』」
龍「ははっ。答えづらい質問ですね」
ソ「それで、いるの?」
ラ「いるのか?小龍」
龍「居ると言えば居る。居ないと言えば居ない、かな」
四「なんだそりゃ?」
侑「お子様ねー。四月一日は」
四「何でですか!?」
レ「あー……なんか分かる気がする」
ユ「複雑だねぇ」
黒「そりゃあ仕方ねぇな」
フ「人間、泥沼も必要なんだよねー」
侑「ね?先生達は納得したみたいよ」
四「あ…あれ?」
侑「まあ、今回の答えはそれで許しましょう」
龍「有り難うございます」
小「……?」
侑「次。『どの先生の授業が面白いですか?』」
龍「さっき小狼の質問でも出たとおり、おれ理系なんで化学とか好きですね。実験とか楽しいですし」
フ「わーい」
侑「『怒らせると怖い先生は誰ですか?』」
龍「先生を怒らせたところって、まだ特にないんですけど……でも、強いて言うならユゥイ先生とか」
さ「ユゥイ先生?」
ひ「なんだか意外。ユゥイ先生、すっごく優しいのに」
龍「いや、なんかおれと同じ感じがして」
四「同じ?」
ユ「奇遇だね。ボクも思ってたよ。ボクと小龍君、なんか似てるなって」
龍「でしょう?」
フ「……」
小「……」
侑「小龍君への質問は5つだったみたいねー。じゃあ、最後に一言」
龍「ちゃんと答えられたか分からないけど、質問有り難う」
──さくら編──
侑「次はさくらちゃんね。心の準備は良い?」
さ「は、はい」
ユ「侑子先生、さくらちゃん脅えてますよ」
侑「大丈夫。悪いようにはしないわ」
レ「笑顔で言うところが逆に怖い……」
侑「まずは一つ目ね。『小狼君とはクラスが違うけど寂しくないですか?』」
さ「えっと……少しだけ」
小「そう、なのか?」
さ「うん。やっぱり、一緒の教室で授業が受けれたらな……って思っちゃうの」
レ「でもほら、授業中こっそり窓から外を見て体育してる姿を探したり、移動教室中にすれ違ったり、そういうのもまた良いんじゃない?」
さ「はい。それは思います」
レ「特に、体育してる姿なんてトキメいちゃうよね!」
さ「そうなんですよー!」
龍「これは、体育で凡ミスは出来ないな。小狼」
小「う……うん。気合い入れないと」
ひ「でも、レン先生。自分も経験した事があるような話し方でしたね」
レ「え!?」
四「ほんとだぁ。レン先生も、誰かにトキメいたりしてたんすか?」
レ「ま、まぁ。私も20年以上生きてる訳だし、それなりには……」
フ「ふーん」
レ「あああ、もう!今はさくらちゃんに質問してるんでしょ!侑子先生、次に行って下さい!」
侑「あら。見てるの楽しかったのに、残念だわ。『得意科目と苦手科目は何ですか?』」
さ「得意かどうかは分からないんですけど、音楽が好きです。歌を唄うのも、楽器を演奏するのも」
レ「さくらちゃん、歌すごく上手よ。声が綺麗だし」
さ「有り難うございます」
黒「体育も意外と出来るだろう。たまに鈍くさいところはあるが、柔軟性は抜群だしな」
ユ「さくらちゃんは、料理も上手だよ。飾り付けがいつも可愛くて、楽しみにしてるんだ」
さ「そ、そんな……」
四「うりうり。何でも出来る自慢の彼女だなぁ?小狼」
小「う、うん」
百「苦手科目は?」
さ「うーん。数学とか堅い科目はちょっと苦手かも……あと、英語も」
侑「英語は抵抗がある子、多いものねー。でも大丈夫!今度新しい英語の先生が来るのよー」
ソ「ほんと?」
黒「初耳だな」
ラ「どんな先生なんだろう」
侑「うふふ。ヒ・ミ・ツ。でも、きっとみんな仲良くなれるわよ」
さ「英語、上達出来ると良いなぁ……頑張ろう」
侑「次ね。『どの先生の授業が面白いですか?』」
さ「さっきと答えが一緒なんですけど、レン先生の音楽です」
レ「やーん。さくらちゃん好きー!今度評価5あげちゃう!」
黒「単純なやつ……」
フ「そこが可愛いんじゃないー」
侑「そこ、惚気はいいわよー。これが最後ね。『怒らせると怖い先生は誰ですか?』」
さ「えっと、ここにはいらっしゃらないんですけど……校医の星史郎先生です」
四「あー。何となくその気持ち分かるかも」
さ「体育で転んだ時、保健室に行ったんですけど、笑顔で一番沁みる薬塗られて、少しトラウマというか……」
百「完全にサディストだな」
フ「あははー。オレも星史郎先生苦手ー」
ひ「ファイ先生にも苦手な人っているんですね。なんだか意外です」
フ「そりゃあ、人間だもんー。合わない人の一人や二人はいるよ」
侑「うふふ。この企画、みんなの本音が聞けて良いわねー。今後の学校運営の参考にさせてもらうわー。じゃあ、みんなに一言どうぞ」
さ「たくさん質問いただいちゃって、有り難うございました。答えていてすごく楽しかったです」
──四月一日編──
侑「じゃあ、次の手紙は……ああ。四月一日ね」
四「なんですか!そのどうでも良さげな顔!」
侑「なんて言うかー、関心が薄いのよねぇ。まぁ、ちゃっちゃかやりましょ」
百「そうですね」
四「おまえも同意してんじゃねー!」
侑「『ユゥイ先生と料理を作ってみてどうでしたか?』」
四「えーっと。おれ、自分で作るのはだいたい和食なんですけど、ユゥイ先生からイタリア料理なんか教えてもらえて、レパートリーが増えて嬉しいっす」
ユ「四月一日君は飲み込みが早いしセンスもあるから、教えがいがあるよ」
四「へへっ。有り難うございます!」
ユ「四月一日君に授業を任せても大丈夫なくらいだね」
四「いやぁ!そんなそんな」
ソ「四月一日、嬉しそー」
ラ「喜びが全身に出てるな」
ひ「でも、本当にお料理上手だもんね。お料理だけじゃなくて、お裁縫なんかも」
四「ひまわりちゃん……!」
ひ「家庭科の先生も良いけど、やっぱりお嫁さんが一番良いと思う」
四「だぁっ!?」
フ「なんか、最近展開が読めてきたかもー」
黒「四月一日も学習しねぇな」
レ「四月一日君……可哀想に」
侑「そんな四月一日に、もっと可哀想な質問があるわよー」
四「これ以上惨めにさせる気ですか……」
侑「『どうして彼女が出来ないんですか?』」
四「……!」
百「あ。灰になった」
龍「ストレートな質問だな」
さ「わ、四月一日君……大丈夫?」
四「う……うう……」
百「泣くのか?」
四「誰が泣くか!ああもう!何で彼女が出来ないかなんて、こっちが聞きたいくらいですよ!」
小「お、落ち着いて……」
ラ「逆ギレしだしたぞ」
ユ「でも、どうしてだろうねぇ」
さ「四月一日君には何でも話せるんだけど、逆にそれがダメなのかな?」
レ「良い人すぎて、ワイルドさに欠けるとか?」
侑「どう頑張っても、いつも良い人止まりなのよねー。四月一日は」
ソ「恋人とはちょっと違うのかも」
ひ「やっぱり、お嫁さんだからだよ」
四「!!!!」
フ「以上、女性陣からの意見でしたー」
小「ああっ!泣かないで!」
四「は、はは……もうどうでも良いさ……」
侑「じゃあ、次。『どの先生の授業が面白いですか?』」
四「ユゥイ先生の調理実習でーす……」
百「完全に魂が抜けてるな」
侑「最後よ。『怒らせると怖い先生は誰ですか?』」
四「ゆーこせんせーでーす……」
侑「あーら。あたしのどこが怖いのよ」
四「人の会話を何処からともなく聞いてるところとか、二階の窓から現れるとか、もう人間じゃねっすもん」
レ「本当ですよね。宝探しの時といい、どういう仕組みなんですか?」
侑「うふふ。企業ヒ・ミ・ツ。ほらー、四月一日。最後くらい元気だしなさい」
四「はーい……」
ユ「ダメみたいですねぇ」
龍「ダメージが相当大きかったみたいだな」
侑「しょうがないわねぇ。四月一日、今度可愛い子を紹介してあげるから……」
四「まぁじっすかぁ!?」
侑「ええ。だからほら、笑顔で挨拶なさい」
四「はーい!みなさん!たくさんのお便り有り難うごさいますっ!もうこの際、内容は全然気にしてませんよ!」
レ「すごい変わりよう……」
フ「侑子先生。本当に紹介してあげるんですかー?」
侑「うふふ。あたしの気が向いたらね」
黒「やっぱ、そういう事か……」
レ「四月一日君……ほんと、可哀想に」
四「(聞こえてない)あー、どんな子なんだろ。楽しみだー!」
──百目鬼編──
侑「生徒もあと半分ね。次は百目鬼君よ」
百「はい」
四「おまえ、ちゃんと答えろよ!いつもみたいに無愛想じゃなくて!」
百「分かってる」
侑「『弓道部の練習はどうですか?』」
百「楽しいです」
四「終了かよ!しかも全然楽しそうじゃねぇ!」
フ「一問一答みたいになってるねー」
レ「百目鬼君、もっとこう、話を発展させてみたら?」
百「……発展?」
ユ「どんな時に楽しいって感じたりするのかな?」
百「弓を引く時に姿勢をうまく保てたり。あと矢は一回で4本引くんですけど、皆中した時は嬉しいですね」
ソ「かいちゅう?」
百「的に矢が全部命中するって意味だ」
ひ「すごいね」
四「!!ひまわりちゃん……っ」
ユ「百目鬼君には、こっちから話題をふって話を発展させないと、ダメみたいですね」
侑「そうね。その辺はみんなよろしく。じゃあ、百目鬼君。『クールでモテそうなイメージがあるけれど、どうですか?』」
四「何だよこのおれとの質問の差!!」
さ「でも、確かこの前、渡り廊下で先輩に告白されてたよね」
ひ「一週間くらい前だっけ?」
百「ああ。そういえば」
さ「あ、ごめんね。偶然通りかかっちゃって……」
ひ「移動教室だったんだよね、わたし達」
百「いや。気にしてない」
さ「有り難う」
龍「先輩からか。すごいな」
小「やっぱりモテるんだね。百目鬼君って」
四「……そしておまえ、断ったんじゃないだろうなぁ?」
百「よく分かったな」
四「あー!なんて羨ましすぎる上に勿体ない事を!」
レ「……侑子先生。四月一日君が発狂しそうだから、次お願いします」
侑「えー。せっかく面白いのに」
黒「このままだと、四月一日が不憫すぎる」
侑「仕方ないわねー。じゃあ、次の質問ね。『どの先生の授業が面白いですか?』」
百「どの先生の授業というか、黒板を写しながら先生の話を聞いて問題を解く感じの授業が良いです」
レ「珍しいね。眠くなったりしない?」
四「や、百目鬼にはそれが正しいですよ。ユゥイ先生にケーキ作りを教わった時、百目鬼のケーキ悲惨な事になってましたもん」
レ「そういえば、何故か生クリームが伸びてたような……」
フ「化学実験でも、百目鬼君の班の液体だけ妙な色になってたしねー」
黒「体育の実技は別に普通なんだがな」
レ「鈍いとかじゃなくて、たぶん少し不器用なんだね」
四「つか、こいつの場合ボーッとしてるからっしょ」
ソ「あー」
ラ「なるほどな」
侑「これが最後。『怒らせると怖い先生は誰ですか?』」
百「さあ」
四「さあ、ってなんだよ!」
百「あまり考えた事がない」
侑「百目鬼君は四月一日と違って優秀だから、怒られる事がないのよ」
四「おれを悪い例に出さなくて良いでしょう!」
侑「最後に一言」
四「無視っすか!?」
百「有り難うございました」
四「しかも短っ!」
小「四月一日君、忙しいな……」
──ひまわり編──
侑「じゃあ、次はひまわりちゃん」
ひ「はい」
四「いやっほーい!待ってましたぁ!」
百「うるせぇ」
四「なんだとー!」
ひ「やっぱり、二人とも仲良しだね」
さ「ちょっと違うような気も……」
侑「いくわよ。『どうしてピアノが弾けるんですか?』」
ひ「小さい頃に習っていたんです。今も家にあるピアノでたまに弾いてます」
ソ「家にピアノがあるんだー」
ラ「すごいなぁ」
四「へー!なんか、お嬢さんって感じで良いなぁ」
龍「ピアノ弾ける人、そう考えたら結構居ますね」
レ「ひまわりちゃんに、私に、ユゥイ先生、か。ピアノ三重奏とか出来たら楽しそう!」
ユ「良いですね」
ひ「いつか、是非」
侑「次よ。『学校行事で一番好きなものは何ですか?』」
ひ「やっぱり、一番盛り上がるから体育祭が好きです」
黒「おっ。体育教師としては、嬉しい答えだな」
フ「何の種目が好きなのー?」
ひ「走ったりする種目より、創作ダンスなんかが好きです」
四「そうそう!今年のチアガール、可愛かったよー!」
ひ「有り難う」
小「さ、さくらも……」
さ「あ、有り難う……」
ラ「モコナもな」
ソ「わーい」
フ「そういえば、レンレン先生も出てたよねー」
レ「そう。当日欠席した子がいて、穴埋めで仕方なく……楽しかったけど、高校生に混じってチアガールはキツいでしょ?年齢的に」
ひ「そんな事ないですよ。すごく可愛かったって、男子生徒からも評判でした」
レ「そ、そう?」
フ「へー……」
ユ「あはは。ファイは相変わらずだね」
侑「他には何かあるの?」
ひ「他は……あ。応援団は格好良かったです。男子も女子も学ランや袴なんかを着て、演武には見とれちゃいました」
侑「ふんふん。四月一日、これは来年応援団長の座を狙うしかないわね」
四「うっす!」
侑「体育祭の話題はこのくらいにして、次ね。『どの先生の授業が面白いですか?』」
ひ「さくらちゃんと同じになっちゃうんですけど、音楽が好きです」
レ「ひまわりちゃん……!」
侑「『怒らせると怖い先生は誰ですか?』」
ひ「レン先生?」
レ「へっ!?」
黒「おまえは本当に忙しいな。笑ったり驚いたり。疲れねぇのか」
レ「だって、本当にビックリしちゃって。私、そんなに怒ってる?」
ひ「いえ。私は別のクラスの子から聞いたんですけど、ふざけながら楽器を弾いてたら楽器を壊しちゃった子、いませんでしたか?」
レ「あ、いたいた」
ひ「そしたらレン先生から、怒鳴るでもなく注意するでもなく、無言でしばらく睨まれたって言ってたから」
四「あー。生徒からすれば、逆に怒鳴られる方が楽だよなー」
小「無言の圧力って、確かに辛いかも」
フ「そうそう。レンレン先生、怒ると不機嫌になって無言になるもんねぇ。それはそれで分かりやすいんだけど」
レ「う……侑子先生、次々!」
侑「残念だけどおしまいよ」
四「えー!」
百「だから、うるせぇ」
四「おまえは喋らなすぎだ!」
ひ「やっぱり、二人とも仲良いね」
侑「じゃあ、ひまわりちゃん。一言どうぞ!」
ひ「はい。楽しい質問を有り難うございました」
──両モコナ編──
侑「さあ、次はみんなのアイドルへの質問よ」
小「アイドル?」
侑「モコナ達ー。出番よー」
ソ「はーいっ」
ラ「はーい!」
ユ「なるほどね」
黒「何がアイドルだ」
さ「でも、モコちゃん達への質問、なんだか多そう」
龍「おれも、転校してきて驚いたからな。色んな意味で」
侑「じゃあ、今日は謎が多いモコナ達の秘密を暴いちゃうわよー!」
ソ「きゃー」
ラ「暴いてみな!」
侑「一つ目。『その制服は特注なんですか?』」
ラ「そうだよ」
ソ「侑子先生が注文してくれたの」
レ「業者の人は、お人形用か何かだと思ってそうね……」
侑「二つ目。『二人は同じ名字ですが、どういった関係ですか?』」
ソ「ラブラブな関係なの」
四「いや、そういう意味じゃなくて」
ラ「ラブラブな関係だもんな」
ユ「答えないつもりみたいだねぇ」
フ「うーん。謎は深まるばかりだー」
侑「三つめ。『どうやって授業を受けてるんですか?』」
ラ「どうって、普通だよな」
ソ「うん。二人で一つの机を使うの」
四「いや、それ普通じゃないから」
侑「四つ目。『移動教室なんか大変じゃないですか?』」
ソ「そんな事ないよ。とーってもらくちん!」
ラ「小狼達が肩に乗せてくれるもんな!」
ひ「この前は、ファイ先生の肩にも乗ってたね」
ソ「うん」
ラ「だって、先生と一緒だと遅刻する事がないもんな」
レ「要領が良いというか、何というか……」
侑「五つ目。『どの先生の授業が面白いですか?』」
ソ「黒りん先生の授業ー!」
ラ「体育、楽しいもんな!」
ソ「黒たん先生、頼りになるし」
黒「俺も、おまえらの事は良い生徒だと思ってるぞ……その妙な呼び名さえなけりゃなぁ」
ラ「きゃー!」
フ「黒りん先生、生徒を脅しちゃダメだよー」
黒「てめぇが言うな!」
侑「六つ目。これが最後よ。『怒らせると怖い先生は誰ですか?』」
フ「二人ともー。せーの」
ソ「黒たん先生ー」
ラ「黒たん先生ー」
黒「ハモって言うんじゃねぇ!」
ソ「きゃー」
ラ「わぁー」
侑「はいはい、黒鋼先生。追いかけっこは後にしなさいね」
黒「追いかけっこじゃねぇ!」
侑「モコナ達、最後にご挨拶なさい」
ソ「はーい!みんな、お手紙ありがとう」
ラ「これからも、モコナ達のかわいさにドッキドキー!」
黒「……なんだそりゃ」
.