あとがき


終わりました、shine。
というわけで、初めて後書きのようなものを書いてみます。


・テーマ
 まず、この連載で一番初めに思いついた思いついた場面は、みんながギラティナと戦う場面でした。
 人によって世界が壊されかけてギラティナは怒っている。でも、悪い人ばかりじゃなくて、ちゃんと世界やポケモンを大切に想っている人もいる。そういう話が書きたくて連載を始めました。なので、個人的なテーマは「ポケモンと人の繋がり」だったりします。
 ポケモンのことを道具だと思っている人もいるけど、ポケモンをパートナーとして大切にしている人もいる。人間のことを悪者だと決めつけているポケモンもいるけど、人間に寄り添おうとするポケモンもいる。
 すれ違いもあるけど、同じ世界に住む者同士、違う種族は歩み寄っていけるんだということを書きたかった……のですが私の文章力で書き表せているか不安なところがありますね。少しでも伝わっていたら幸いです。


・ヒロイン
 ポケモンと人の繋がりということで、ポケモンの気持ちを誰よりもわかるヒロインにしたかったのです。そこで、シンオウにはゲンさんもいるということで波導使いという設定にしようと、こうなりました。最初は記憶喪失ということで単に『力』と表現していましたが……
 しかし、ポケモンよりも何よりもこの子はデンジ至上主義というある意味個性的な子になってしまいました。助けてもらえたから、名前をつけてもらったから、『力』を素敵だといってくれたから、とまぁヒロインにはデンジが神様にでも見えたのかもしれません。そんな感じでかなり懐き、盲信しています。最後にデンジの気持ちを知り、想いが通じ合えたことで対等になり、盲信を破っていくのではないかなと思います。
 ゲンさんとヒロインは同じ故郷出身という設定です。また、はっきりとは明記していませんが前世からの付き合い。アーロンの弟子であり妻の女性が、ヒロインの前世だったりします。本編中では、ヒロインがそのことを思い出すことがないですね。ゲンさんの本名がアーロンにしたように、ヒロインの本名が前世の彼女の名前です。これについては後でまたお話してます。
 ヒロインのレインという名前にも由来があるのですが、レイン=雨=みずタイプ使い=髪や目の色……という感じでキャラを膨らませました。デンジやオーバと並んで違和感のない子にしたかったので。


・デンジ
 ヒロインの目にはフィルターでもかかっているんじゃないかというほど美化されていますね、うちのデンジは。
 連載中でも自分で言っていますが、別にそう善人じゃないんです。趣味のために停電は起こすし、それに対してあまり反省しないし、自分の欲に忠実だし……。
 でも、嫉妬心というか依存症が強くて、関心を抱いた相手にはとことん執着する。だから、それらのためには意外と頑張れる人というのが私のデンジに対するイメージ。
 デンジも最初はヒロインに対して、本当に何も思ってなかったと思うんです。懐いてくれてるけど悪い気はしないかなとか、捨てられたポケモンを拾って親になった、というような気持ち。デンジって基本的に他人には関心が薄そうなので。関わっていくうちに、だんだんヒロインのことを好きになっていったんじゃないかなと思います。


・ゲンさん
 うちの報われない人ナンバーワンですね……。この人は、他人を傷付けるくらいなら自分ひとりで背負いこむとか、そういう考えの人だと思う。アーロン様が一人で世界を救ったみたいに。
 だから、基本的に浅い人付き合いで、人当たりよく接してる。でも普段抑え込んでいる分、爆発したらあのミオシティ編みたいにやらかしてしまう感じ。でもやっぱり優しいから、結局一人で抱え込んでしまう。
 ヒロインとゲンさんの過去は、本当に捏造上等なこですが。逆ハーじゃないけと、デンジVSゲンのようになりましたね。彼は本当に一途だと思います。寧ろ重いくらい。
 ゲンさんが幸せになる話もいつかスピンオフとして書いてみたいです。頭の中にはストーリーがあるので……。


・ランターン
 一番最初に、ヒロインの手持ちに入れると決めていた子です。
 チョンチーだったころ、色違いだから少し周りから浮いていたところを、ポケモンの言葉がわかるヒロイン(幼少期)に出会いました。ヒロインに仲良くしてもらえて、本当にヒロインのことが大切な友達になったんだと思います。
 だから、さらわれたヒロインを追って必死に泳いで、海に落ちて沈む彼女を小さな体で水面に押し上げて、だれかに気付かれるようライトを点滅させた。デンジがちょうど助けに来たとき、チュンチーは力を使い切って、海の中に沈んでいったんじゃないかな。そして、ヒロインを守れるくらい強くなろうと頑張ってランターンに進化したんですね。みんなのお姉さんポジションですが健気な子なのです。
 実は、二番目くらいに話の流れを考え付いたのがこの子の話でした。


・その他手持ちたち
 シャワーズ:デンジとオーバがブイズの進化形をもってるんだからヒロインにも持たせなきゃだろ……というわけで、みずタイプ使いで行くと決めていたのでシャワーズにしました。クロガネで進化させることは案外最初から決めていたのです。
 ジーランス:某所で拝見した、海底古代都市を泳ぐジーランスがあまりにも美しすぎて手持ちにしたかったのです……! これまたはっきり表記していないけど、ヒロインの前世と同じ時代に生きて、アーロンが鎮めた戦争を体験していました。
 トリトドン:鳴き声が頭から離れなかったんだ……。この子のストーリーは割と気に行っていたりします。ツンデレを振り向かせられたら、手なずけたって感じになりますよね。ジーランスとなんだかんだで仲良し……たぶん。
 ミロカロス:コンテストで進化させることは最初から決めていました。唯一ヒロインに恋愛感情を持ったポケモン。でも早い段階で諦めて、ヒロインの幸せを願っています。でもどっかでまだ気にしてるといいな……だから忠誠心は人一倍ありそう。
 ラプラス:実はギリギリまで手持ちにするか悩みました。リオルを入れたかったのでね。でも、リオルを非戦闘要員にして、パーティー入り! 初代から好きな子なので、やっぱり思い入れありますしね。
 リオル:波導使いという設定を考えたときから仲間入りは決めてました。デンジもオクタンを持ってるし、オーバもミミロップを持ってるし、専門以外の子がいてもいいかなと。この子も前世からヒロインと一緒にいますが、こちらも記憶はなしということで。


・エンディング
 連載を始めたころから考えていた通り、三通り作りました。デンジエンド、ゲンエンド、そしておまけ的なパーティ(ランターン)エンド。二つは恋愛要素がらみ、一つは友情的な終わり方です。
 デンジエンドだとヒロインは前世の記憶や本名を思い出しません。勝負に負けてデンジへの気持ちに気付いたあとで、ゲンさんに本名を聞きに行っても、ゲンエンドのようにはならなそう。デンジエンドがshineのトゥルーエンドですね。
 ゲンエンドだと、たぶんナギサシティを離れてミオシティに住みそうですね、ヒロインは。やっぱり、生まれる前から恋人だったということを思い出したら、そのとにの気持ちが全てを占めそうだと思って。ただ、このエンディングではゲンさんもヒロインを本当の意味でお互いを見ていない(お互いの前世の姿を見ている)ので、一緒になっても寂しいというか……ある意味、メリーバッドエンドかなと思ってます。
 最後のエンディングは、デンジエンドの後日談という形にもなりそうですね。最初は負けたけれど後日勝利してリーグに向かい、ジムリーダーとなるべく修行する感じです。


・shine
 最後にこの連載のタイトルについてです。このタイトルにした理由は、ズバリ言うとヒロインの本名がシャインだからです。そもそもDPtの主人公の名前がコウキ(光輝)とヒカリ(光)なので、ヒロインにも光にちなんだ名前をつけたいと思い、本名をシャインにしました……裏設定ですけどね本当に。ほら、シャインとレインも何となく似ている……というこじつけ。
 でも、光にちなんで、デンジを太陽、ゲンを月、ランターンを星と当てて、どの光がヒロインのお相手? 的な感じで設定づけていました。
 そんな感じの連載タイトル秘話でした。ちなみに、shineのイメージソングとしては
「深海少女」初音ミク
「歌に形はないけれど」初音ミク
「君が光に変えて行く」カラフィナ
 を私の中ではイメージにしています。


 後書きってこんな感じでいいのかな……またなにか書きたいことがあったら付け足します。
 あと、連載は終了しましたが、番外編などこれからたまに書いていきたいです。shine物語のメインはデンジなので、デンジエンド後の設定で話をちらほらと。旅立つ前の話も書いてみたいし……と、書きたいことは山ほどあります。
 とりあえず連載は終わりましたが、それは彼らのお話の一部なので、もっとたくさんのお話も書いていきたいです。

 では、長々とお付き合いいただきましてありがとうございました!



2009.2〜2010.9.21 連載完結
2021.11.14 手直し完了


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