さてさてここはどこでしょう。
1、政宗のお城。
2、佐助の屋根裏。
3、小太の秘密の場所。
正解は………
「4、の海の上。だぜ子猫ちゃんよ」
「おええっ」
なんで海なの。ねぇなんで。
「俺は!水が!きらいなの!」
チカの船の上、俺はゆったり揺られていた。
「仕方ねぇだろ。あいつが腑抜けるから」
「あいつぅ?」
「毛利元就」
回想。
いつものように毛利の城に上がり込むと、奴の駒のひとりが毛利の前で困り果てていた。
「元就様。これではいけませんか」
「違う!我の求むものではない」
何の話だ。
少し黙っていれば、毛利はかぶりを振った。
「我が求むのは本物ぞ!代用など要らぬ!」
「しかし……」
「困らせるなよ毛利」
呼び掛けるとこちらを向いてきた。
「長宗我部」
「なんの話だ」
見回せば、駒の腕には子猫。
………猫?
「猫なんて……」
「下がれ。そのような猫は要らぬ!」
ぴしゃりと言ってのける毛利。
なにをそんなに…。
「我が欲するは奥州の猫ぞ!!」
───ああ。
「猫猫って城からでやしねぇ。部屋で光合成だけはするみたいだが」
「ほー。じゃあチカは就様のために俺を半ば誘拐のごとく……」
「仕方ねえだろ。あいつが話をきいてくれねぇとこっちも困る」
はあと溜め息を吐くチカ。
今回の任務は、就様のやる気スイッチを押せばいいのか。
そんなわけで厳島周辺。
「よっし!行くぞ猫助!」
「朔那だったら!」
チカに担がれて城に乱入。
相変わらず静かだ。奥州とは大違い。
てか乱入していいの?
「毛利ー?」
兵士を散らしながらチカが襖を開けている。
「お。いたいた」
「うわっ」
チカが俺を背中に隠す。
お前は彼女にサプライズする彼氏か。
隠すのは俺じゃなく乳首にしろ。
「もーり」
「……長宗我部か。今我は忙し……」
「これなーんだ」
「にゃっ」
ぶぉんと前に突き出される。
いきなり近距離対面。
「こんにちはあ……」
「猫ではないか!!!」
「奥州の連中に3日借りた」
がしいっと肩をつかまれた。
朔那ですってば。
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