「どうした、朔那」
「暇ですー」

小十郎様の手に俺の手を重ねる。
でっかい!

ぺたぺたしてると小十郎様が溜め息を吐いて立ち上がりました。

もちろん俺の着物の襟をつかんで。


「……少し出てみるか」
「!ほんと?」




というわけで町です。
特に政宗から言われてないらしいので、外には出られるらしい。


「小十郎様!あれ!」
「待て、朔那…」

小十郎様を散々連れ回しています。
団子、団子食べたい!


「ああ、わかったからはしゃぐんじゃねぇ」
「みゅっ」


手のひらでがさがさと撫でられた。
頭を押さえると小十郎様がふんわり笑った。


「ふん、ふふ〜」

紙袋を抱えて、足取り軽く歩く。
お団子の他に干菓子なんかも貰った。
民さんから干し柿も貰ったよ。

「一気に食うんじゃねぇぞ」
「む!」


んまんま。

小十郎様の部屋につくと、また座ってお仕事です。
邪魔しないように後ろで紙袋を抱える。

もぐもぐと干菓子を食べていると、小十郎様がひと息吐いて手招きした。
誘われて膝に乗った。


「あんまり食うと肥える」
「んー」



ちょっとだけ膝の上で構われていると眠くなりました。
戦国時代の枕って固いから膝ってかなり柔らかい。


「少し寝ちまえ」
「んー…」



「Hey cat!今帰ったぜ!」
「………」
「…cat?cat!朔那!」
「……煩い…」

騒がしい竜が帰ってきた。
どうやら小十郎様も頬杖ついて眠っていたらしい。
火が落ちてる。


「…政宗様…?」
「小十郎、お前が居眠りとは珍しい」


小十郎様の膝の上から政宗を見る。
すっかり武装も解いている。


「猫、猫。こっちだ」

小十郎様の膝から俺を抱き上げようとする政宗。
しかし俺はぎゅっと小十郎様に抱き付く。


「Ah!?」
「政宗手ぇ冷たいからヤダ」

小十郎様にぴったりくっつくと、政宗がご乱心。


「誰の為に早く切り上げたと思ってるんだ」
「自分でしょー」

小十郎様、身体おっきくて温かくて丁度いいんだもん。
すりすりしてやれ。

「みゃあ」
「朔那、政宗様が……」
「いいのー」
「よくねぇ!」

この人なら俺を猫みたいに政宗に託すのは可能だがここにいたい。
小十郎様に上目で訴える。

俺を動かさないで!


「……」
「…、朔那…」

さわさわと頬を撫でられる。
顎!顎も!

「もっと触ってー」
「Shit!」


小十郎様のサイズたまらん。
ハートを飛び散らせて、小十郎様の頬にキス。
なんか今日テンションやばい高い!
このぴったりサイズに興奮状態!

「小十郎……」
「………朔那?」
「む?」
「俺はやることがあるから、あとは政宗様に」
「えー」

不満を漏らせば。


「いい度胸だな cat?」
「うひゃっ」


ひょいと抱えられて政宗の腕の中。
なんだか嫌な予感。

「当分小十郎にも触れさせない。Don't touch cat!」
「嫉妬はかっこよくないよ政宗」
「Shut up!」


政宗様はとっても大人気ないようです。


fin.1201

* * *
たまにはこじゅにも愛され編

猫くんは随分こじゅにフィットするようです。



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