「小十郎様ー」
「朔那か。……?」
『ぺこっ』
小十郎様と目線が近い。
小太は一礼して袋を差し出した。
「それ、おいしいから食べて」
「これは…」
「クッキー。南蛮せんべいだよ」
「南蛮…」
疑いながら一枚取り出す。
そして一口。
「…甘ぇ」
「おいしい?」
「まあ、な」
「よかったな!」
『こくこく!』
小十郎様はこちらを見て言った。
「これはお前が持ってきたのか?」
『こく』
「そうか」
小十郎様は小さく笑った。
なんででしょう。
「小十郎様?」
「いや、なんでもねぇ。…俺は戻るが?」
「うん!ありがとう小十郎様」
『ぺこっ』
さてさて、朔那の部屋です。
さっきから小太は俺を見てにこにこしてる。
「小太」
「?」
「俺と寝ような!」
「!!」
ふるふると首を振る。
一緒には寝らんないだと!
「駄目!寝るの!」
「〜!」
「さむいだろ!」
奥州の夜なめんな!
ガクガクしながら寝たくない!
「……」
「俺が寝たら離れていいから」
『…こく』
「よっし!」
お前ちょっと気抜いてもいいんだぞ。
ずっと忍なんて疲れるだろ?
政宗が俺たちを見て溜め息をついた。
「いつまでいるんだそいつ」
「?」
「匂い消えるまで」
「もう消えたろ。一週間だぜ?」
「いやそれが」
ちょっとの間奥州にいるんだしと、この一週間毎日お菓子あげちゃって。
匂い継続中。
「……朔那」
「だって!」
政宗がどす黒いオーラを出せば、小太が俺を抱える。
『じーっ』
「小太…」
「OK OK!そんなに警戒するな伝説の忍」
「…」
「いてもいいってさ、小太」
『にこっ』
「てめぇ…」
ここ一週間小太に抱えられっぱなしだからちょっと拗ねてるな。
わかったわかった。
もうちょっとしたら構ってやるから!
fin.1201
* * *
小太郎、人気ですね!
たくさん出して上げたいけど喋らないので難しいです。
いっそ猫くんには小太郎語が分かる設定にします
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